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互いに異なっても共に光る

Posted March. 14, 2017 07:32,   

Updated March. 14, 2017 07:32

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ローマ・カトリックと絶対君主の後援を受けた17世紀の欧州美術は、華やかで立体的でした。宗教改革後、毀損されたカトリックの権威を回復し、強化された王権を誇示しようと美術は形式と構成が大胆になりました。

当代の美術家たちは、時代の芸術的ムードに大きな影響を受けました。スペインの画家フランシスコ・デ・スルバラン(1598~1664)も同じでした。17世紀、バロック美術の強烈さと躍動感を尊重しました。同時に自分だけの美学的個性を確保しようと奮闘し、厳かで冷静な芸術で独自性を認められました。

画家はスペイン・マドリードで人生を終えました。しかし、芸術活動の拠点は貿易都市セビーリャでした。新大陸との貿易で活気が溢れていたここで早く芸術的名声を得ました。厳しさと神秘が共存する宗教画のおかげでした。優れた技量で祈祷と瞑想の静かな瞬間から奇跡と殉教の劇的な事件まで宗教的主題を広範囲に扱いました。当時、教会と修道院は深い宗教性が感じられる絵を高い費用を受け入れて依頼し続けました。

当代の最高宗教画家と偉大な成人と特別な捜査だけを主人公にするわけではありません。画家は、レモンやオレンジ、水やバラといった平凡な物が登場する静物画も何点か残しました。いくつかの皿がある絵もその中一つです。画家固有の厳格な構成と節制された表現が際立つ静物画でした。

長くて狭くテーブルのようで棚のようだった茶色の空間に皿が一列に置かれています。絵の中央に高さも色も違いが生じる水差しと花瓶が見えます。一方、絵の両端は材質と装飾の精巧さの程度が異なる酒の杯や水差しが占めました。絵の中の皿は取っ手の高さや方向まですべて扱います。にもかかわらず、深い闇と温和な光の中でそれぞれ偉大な存在感を衝突なく表わしています。

隣り合った事物と適正距離を維持しつつ、本来の場を守る静物が伝える物静さのためでしょう。絵の端に配置された形や感じが似た丸い皿が与える安定感のためでしょう。形態や色、質感の使い方が異なる事物が一列に並んだ絵の第一印象は秩序整然です。異なる考えと信念から始まった激しい声と危険な行動が続いたここ数日。それぞれ異なる静物が共に輝く絵で酷寒が過ぎ、私たちが共に迎える春に対する無言の助言を求めます。

韓神大学教授・美術評論家