Go to contents

[オピニオン]ドゥテルテ氏と盧武鉉氏

Posted October. 24, 2016 07:19,   

Updated October. 24, 2016 07:37

한국어

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領。無慈悲な「麻薬との戦い」や激しい口ぶりで国際的ニュースメーカーとなっているが、今回は本当に尋常でない。「今や米国にお別れを告げるべき時間だ」としながら、「二度と米国の口出しや米国との軍事演習はない」と19日宣言した。それも、中国を国賓訪問して手厚いもてなしを受けた後の発言だ。南シナ海の問題で対立している中国との関係については、「今は春日和」と、同盟関係である米国に冷や水を差した。

◆ドゥテルテ大統領は先月は、「フィリピンは米国の属国ではなく、とうの昔に米植民地から脱した」と主張した。「米国との軍事同盟を取り消すつもりなどない」としながらも、「本当に我々がそれを必要としていると思っているのか」と疑問符を投げかけた。ロシアがウクライナを侵攻した時は、「米国は何もできなかった」と皮肉った。氏が米国と対立し、中国に近づこうとするのは、両国の間でフィリピンの価値を高めて、より多くの実利を手にするための計算された行動だという声もある。

◆小国は強国の力が必要な時に同盟を希望する。しかし、飛び切り強い国との同盟は、強国にさらに有利になる可能性が高いので、やむなき場合を除いては、交わすべきではないとマキャヴェッリは「君主論」で指摘した。フィリピンの政治学者たちが「マキャベリスト」と呼んでいるドゥテルテ大統領が、この影響で米国と距離を置いたのかもしれない。1992年、米軍がフィリピンから撤退後、中国との領有権紛争において悔しい思いをしたことを全て忘れたのか知りたい。

◆盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は候補時代だった2002年9月、「米国に行かなかったから反米主義者とでもいうのか、また、反米主義者ならどうだろうというのか」という発言で、議論となった。政権の座ついた後、外交安保ラインでは、「自主派」と「同盟派」とが対立し、韓米同盟は激しく揺れた。国際政治学の世界的権威者であるハンス・モーゲンソーは、1948年に初版が出た「国家間政治」の中で、なるべく交わしてはならない強国と弱小国との同盟事例として、韓米関係を取り上げたが、今生きていたならおそらくその部分を修正したのではないだろうか。米中の間で綱渡りをしているようなドゥテルテ大統領は、韓国事例を参考にすればいいだろう。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com



김순덕 キム・スンドク記者 yuri@donga.com