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[社説]北朝鮮の弾道ミサイル、韓国領空を通過すれば迎撃できるのか

[社説]北朝鮮の弾道ミサイル、韓国領空を通過すれば迎撃できるのか

Posted February. 04, 2016 07:19,   

Updated February. 04, 2016 07:25

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北朝鮮が2日、地球観測衛星「光明星」を8日から25日の間に打ち上げると、国際海事機関(IMO)など国際機関に通知した。2012年12月に「銀河3号」長距離ロケットを発射した時のように、衛星を口実に米本土まで攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験をしようとしている。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、先月6日の4度目の核実験に続き長距離ミサイルを発射しようとするのは、5月に開かれる第7回党大会を控え、軍事強国の威力を誇示する狙いがあるものとみられる。

北朝鮮が明らかにした運搬ロケットの残骸の落下予想区域によると、1段階は群山(グンサン)西約80マイルの海上に、ロケットの先端部は済州(チェジュ)西約50マイル海上に、2段階胴体はフィリピン・マニラ東の約80マイル海上に落下するものと予想される。政府は付近を通る飛行機や船舶に対して警報発令を下すことを決めた。北朝鮮のミサイルが韓国の領空を通過する可能性は低い。韓国領空の水平範囲は、韓半島と附属島嶼および領海(12カイリ・約22.2キロ)の上空域だ。垂直範囲は宇宙まで含むことができ、国際法的に確立された基準はない。

問題は、北朝鮮がミサイルで攻撃する場合、現在の防衛システムで迎撃することがきわめて難しいことだ。2014年5月、韓南(ハンナム)大学のチェ・ボンワン教授が国会で公開したシミュレーションによると、北朝鮮が射程距離1000キロのノドン・ミサイルに1トンの核兵器を搭載して発射した場合、675秒(11分15秒)でソウルに落下した。北朝鮮のミサイルは、551秒を大気圏外で飛行し、大気圏内の飛行時間は124秒だった。韓国が今年から導入するPAC-3(パトリオット)ミサイルでは、高度12~15キロで1秒間迎撃が可能なだけだ。一方、高高度防衛ミサイル(THAAD)では、40~150キロ高度で45秒間、SM-3ミサイルでは70~500キロの高度で288秒間迎撃が可能だと分析された。THAAD導入が必要に迫られる理由だ。

日本が、自国の領土、領空、領海に北朝鮮ミサイルが侵入した場合迎撃するよう「破壊措置命令」を自衛隊に下したのは、弾道ミサイルを高度160キロで迎撃できる海上の上層防衛システムをはじめ多層防衛網を構築しているからだ。これに比べて、韓国が2020年代に構築する韓国型防衛ミサイル(KAMD)は、高度10~30キロの下層防衛用なので、日本より10年以上遅れているとみられている。

国防部は昨年公開した「2016~2020年国防中期計画」に北朝鮮の核とミサイル挑発の動きがある時、先制攻撃する「キルチェーン」構築に6兆ウォン、KAMD構築に2兆7000億ウォンを策定したが、これで十分なのか分からない。国の存亡がかかった安全保障を米国にだけ依存するのは無謀だ。大韓民国の自由と繁栄を守る自主的軍事能力を至急拡充しなければならない。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com