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不満が作った銃

Posted December. 11, 2018 09:08,   

Updated December. 11, 2018 09:08

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人類の歴史を変えたものを100個選ぶなら?簡単だと思うかもしれないが、いざ始めてみると、古い屋敷の引っ越しのように、限りなく溢れ出るものにため息をついて座り込むだろう。選ぶのは難しいが、候補のほとんどは、おそらくこのような特徴を持っているだろう。最初は背を向けられ、文句の対象になるものだという点である。ところが、候補に間違いなく取り上げられるものは、まさに火薬と銃である。二つ共に最初の発明者を知らない。火薬は歴史が古いから知らないかもしれないが、わずか500年前の15世紀に登場した火縄銃(初期のライフル)の発明者を知らないというのはちょっと意外だ。銃は領主や騎士たちの目には、社会秩序を破壊できる不吉なモノだった可能性があるが、最初の銃は不完全で欠点が多かったので、発明者が隠された可能性も高い。

火縄銃は、軍でその価値が認められた後も、依然不便で頭の痛い兵器だった。装填して発射するために、60以上の順序と動作が必要だった。発射速度は弓の10〜20%に過ぎず、湿度のみ高くても使用できなかったし、重くて使い勝手が悪く、銃と火薬ともに非常に高価なものだった。安全事故のリスクも高かった。銃兵は鎧を着ることができず、白兵戦には無防備の状態になる。彼を保護する別の槍兵が必要だった。むしろ、その費用と手間で射手と槍兵を複数人が使うほうが、より効率的だといえる。弾丸が不規則で、あるものは銃口に無理に詰め込むと、発射されずに銃が爆発する。銃身を構成する鉄も弱すぎたり、あるいは品質が一定していない。これも銃を暴発させ得る要素だ。火薬をサラサラに管理することもとても難しい。火薬筒と槊杖など、銃の付属機器が多くて不便だ。

銃の発達史は、そのほとんどがこのような不満を技術とアイデアで解決する過程だった。これが不満の大切さであり、言論の自由の必要性である。聞きたくなかったり、愚かな不平でも、強制的に文句を食い止めれば、不平は不満になり、後では嫌悪になる。嫌悪の段階になると、社会は断絶され、停滞してしまう。火縄銃と現代ライフルで武装した国が戦えば、だれが勝つだろうか?不平への理解と処理法こそ、このような差を作る重要な要因である。

歴史学者