Go to contents

北朝鮮の変化をもたらした国際制裁の隊列を揺るがしてはならない

北朝鮮の変化をもたらした国際制裁の隊列を揺るがしてはならない

Posted June. 19, 2018 08:33,   

Updated June. 19, 2018 08:33

한국어

6・12シンガポール米朝会談から1週間、北朝鮮の非核化履行措置に向けた後続協議はまだ開かれていないが、南北対話は急流に乗っている。先週の軍事会談に続き南北は18日、板門店(パンムンジョム)で体育会談を行い、8月のアジア大会の共同参加と南北統一バスケット大会開催について議論した。22日に金剛山(クムガンサン)で南北赤十字会談が開かれる。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は、南北外相会談を推進すると明らかにした。

 

米朝間にはさらに急速な雪解けムードが流れている。対北制裁で稼働を中止していた丹東(タントン)など中朝国境地域の中国工場約10ヵ所が最近稼動を再開したほか、北朝鮮産の水産物など制裁品目も難なく目にできるという。中国内の北朝鮮労働者派遣も先月から増加傾向に戻った。米自由アジア(RFA)放送は、中国が北朝鮮への輸出貨物の検査と北朝鮮産の加工品密輸の取り締まりを大幅に緩和し、禁輸品目の搬入が増加していると伝えた。昨年11月、平壌(ピョンヤン)行きの定期運航の中止と北朝鮮旅行禁止措置を施行した中国が6日、中国国際航空の北京-平壌定期便の運航を再開した。

緊張緩和によって、南北対話が活性化するのは当然であり望ましいことだ。中朝国境地域の活気も人為的に阻止できない面がある。しかし問題は、このような和解ムードが非核化の実行と歩調を合わせずに進んだ場合の副作用だ。特に、最近中国で起きている変化は、自然な民間レベルの活性化を越え、中国政府の政策方向が変わらずには可能でない点が多く、懸念される。

中国は、北朝鮮核問題の政治的解決を強調し、対北制裁の緩和または解除の必要性を主張してきた。そのような中国を牽引しなければならない米国も、制裁において小さな変化がうかがえる。14日の米中外相会談後、ポンペオ国務長官は、「完全な非核化後に対北制裁が解除されなければならないということで意見が一致した」としつつも、「国連制裁決議案の『制裁解除装置』について適切な時期に考慮することで王毅部長と意見を共にした」と付け加えた。国連決議案には、制裁の修正・強化・解除を可能にする条項が含まれているが、これを考慮するということは非核化完了前でも制裁緩和をする用意があることを示唆したのだ。

南北の和解と北東アジアの平和構築をビルの建設にたとえれば、このビルは北朝鮮の完全な非核化という基礎と骨組みの上に建てられなければならない。政治・軍事的緊張緩和、経済協力と多様な分野と民間レベルの交流という層は、非核化という土台があってこそ高層へと積み上げることができる。北朝鮮を対話に引き出したことは、米国を中心に国際社会の対北制裁が隊列を構築したからだ。まだ基礎を固めも始まっていないのに、北朝鮮を変化させた核心であり唯一の手段である国際制裁を早くも緩めるなら、非核化そのものの動力も弱まるほかない。