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[オピニオン]米国より高い韓国金利

Posted June. 15, 2018 09:24,   

Updated June. 15, 2018 09:24

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産業化が本格化した1970年代から1980年代まで、韓国で金利が20%を越えることは普通だった。高度成長期に加え、インフレまで重なり、金利も高止まりしていた。企業としては、先進国から低金利の借款を誘致することが能力であり、恩恵であった。当時、外貨調達の窓口である国策銀行を動かすのは財務部だった。外貨が企業と政府癒着の輪だった時代である。韓米金利の逆転は想像もできなかった。

◆米連邦準備制度(FED)が14日(現地時間)、基準金利を1.75〜2.0%に引き上げたことで、韓国との金利格差が最大で0.5%ポイントに広がった。韓国銀行金融通貨委員会は、昨年11月に基準金利を1.50%に引き上げた後、この水準を維持している。韓米金利の逆転は、それだけ韓国経済が頑丈になったという意味でもあるから、隔世の感を感じて当然だ。通貨危機と資本市場の開放という大きな苦しみを経験後に得られた体質改善ということを勘案すれば、簡単に得られた成果ではない。

◆米国の金利引き上げは、景気回復への自信の反映である。2度の追加引き上げも予告した。景気回復は米国にとっては朗報だが、この選択によって、アルゼンチン、ブラジル、トルコ、インドネシアなどの新興国経済には赤信号がともった。「通貨価値」の高い米国に投資資本が流れかねないという懸念からだ。新興国の「緊縮発作」が拡散されると、グローバル金融市場に予期せぬ衝撃を与えることもできる。

◆以前なら、韓国も資本流出を心配して、金利引き上げの声が出てきただろうが、今は状況が違う。資本の移動は金利差だけで起きることではないうえ、米金利引き上げに伴うドル高が、輸出企業に有利な点もある。最近の景気指標が低迷議論を呼び起こすほど良くないことも、韓銀が金利引き上げに慎重な理由である。韓国経済の「引き金」と言われる家計負債の負担も大きくなる。だからといってひたすら金利を据え置くこともできない。予定通りなら今年末、米国との金利差は1%ポイントになる。これぐらいまでは耐えられるほど、韓国金融市場の体力が強いのか疑問だ。いつ金利を引き上げるのか。韓銀の悩みは深まっている。


朱性元 swon@donga.com