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障害者の親として生きること

Posted September. 11, 2017 09:03,   

Updated September. 11, 2017 10:07

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昨年の春、京畿道安城(キョンギド・アンソン)に位置している特殊学校「ハンギル学校」で「天使」を見た。知的水準の低い子供たちは、邪悪な行動をすることも、悪い心を持つこともできないので純粋だという意味で天使といえる。ここの子供たちが持つ障害は多様である。ダウン症候群、自閉症、一般的な発達障害患者と共に周りの助けなしでは生活が難しい。そのために障害者は健常者より、よりよい質の教育を受ける権利がある。ところが現実はそうではない。

◆全国で特殊教育が必要な子供は8万8000人だが、このうち2万5000人だけが特殊学校に通う。一般学校で統合教育を受けてみるが、不適応により追い出されるのが日常茶飯事である。しかし、行く学校がない。特にソウルが深刻だ。ソウルの特殊学校は29校に過ぎず、8つの自治区には学校そのものがまったくない。子供たちは不自由な体で、他の区にある学校に一日3、4時間ずつも遠距離通学をする。保護者にとって障害を持つ子供を登下校させることは死闘にほかならない。

◆5日、江西区加陽洞(カンソグ・カヤンドン)にある貢進(コンジン)小学校の敷地に特殊学校を建設する問題を巡って開かれた住民討論会で、障害児を持つ母親20人余りが学校設立に反対する住民らの前に跪いた。ソーシャルネットワークサービス(SNS)で広がったこの動画は、障害者の親の痛みと共に、障害者学校一つをまともに作れない我が社会の素顔を見せつけた。まず、跪いたチャン・ミンヒ氏をはじめとする母親の多くは子供が高学年ので、学校ができてもここに子供を通わせることができない。他の障害児でも恩恵を受けることを願う気持ちから生まれた高潔な行動だった。

◆障害のある子供を持つ親の子育て経験を調査した論文によると、韓国で障害者の親として生きることは天刑である。障害児を産んだ事実を受け入れるのが難しく、子育てのストレスと金の問題も大きいが、最も耐えがたいことは周りの視線である。「動物園の動物や宇宙人でも見るようです」。すべての障害者たちの親が願うことはただ一つ、「子供より一日でも長く生きること」だという。彼らに力になって上げるどころか、跪いた障害児の親の切実な願いを無視してはならない。