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韓米関係を試す北朝鮮の核危機、信頼のない同盟はない

韓米関係を試す北朝鮮の核危機、信頼のない同盟はない

Posted August. 15, 2017 09:40,   

Updated August. 15, 2017 10:02

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は14日、大統領府を表敬訪問したジョセフ・ダンフォード米統合参謀議長と会談した。ダンフォード議長は、「(北朝鮮に対する)軍事的オプションを準備しているが、外交・経済的圧力が失敗する場合に備えるもの」と述べた。文大統領はこれに先立ち、大統領府首席・補佐官会議で、「大韓民国の国益は平和だ。韓半島でもう二度と戦争があってはならない」とし、「いかなる迂余曲折があっても、北朝鮮の核問題は必ず平和的に解決しなければならない」と強調した。

文大統領が北朝鮮の核・ミサイル事態について発言したのは、7日のトランプ米大統領との電話会談以来1週間ぶり。文大統領は首席・補佐官会議で、米国が強調する「制裁」や「圧力」については言及しなかった。その代わり「平和」を7回も取り上げ、「必ず」という表現も3回使った。平和的解決が「いかなる迂余曲折があっても」、「苦しくスローでも」、「必ずそうしなければならない」と繰り返し強調した。断じて武力の使用はあってはならないという決意の発言だ。

文大統領の注文は、「言葉の戦争」が激しさを増し、米国でも交渉論が再浮上する時に出た。ダンフォード議長が、軍事オプションは「最大の圧力」が失敗した後、すなわち北朝鮮の挑発に対抗した軍事的報復であることを説明し、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)が、「(軍事態勢の)目的は平和の維持と戦争の防止」と強調したのも同じ脈絡だ。

 

しかし、文大統領が強調した平和的解決が、果たして手のつけられない北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の気勢を挫くことができるのか、疑念を抱かざるを得ない。文大統領の平和的解決論は、トランプ大統領が連日、言葉の爆弾を吐き出して強行する「最大の圧力」の基調とは距離がある。韓米間の役割分担による調整されたメッセージならいいが、米国に対する不満の表示に映るなら、北朝鮮に誤った判断をさせ、米国の誤解をまねく可能性もなくはない。

 

北朝鮮の核・ミサイル危機は、韓米同盟を試している。文大統領は、「韓米同盟は平和を守るための同盟」とし、米国にも「冷静かつ責任ある対応」を注文した。しかし今後、危機が最高潮に達して軍事対応のボタンを押すかどうかの決定的瞬間に、果たして米国が韓国の同意を求めるかという疑念に直面することになるだろう。そのような選択の瞬間に韓国が疎外されるなら、韓米同盟は存在意義を失う。

北朝鮮の相次ぐ大陸間弾道ミサイル(ICBM)挑発は、韓米同盟をテストするための策略ということも留意しなければならない。米領土が核攻撃の脅威にさらされる状況で、米国が韓国防衛の公約順守に責任を果たせるだろうか。いわゆる同盟の「デカップリング」(離脱)現象が起こる可能性も排除できない。米朝間の劇的な合意によって対話局面に転換された時も然りだ。米朝合意で在韓米軍撤収のような同盟の核心事案が交渉のテーブルに上がる可能性もある。

このような危機の中、15日に72回目の光復節を迎える韓国は、韓米同盟の価値を再確認しなければならない。日本の暴圧から解放させた米国が、「アチソン・ライン」で極東防衛線から韓国を除外することで韓国戦争をもたらした歴史を再確認する必要がある。韓米同盟の最も重要な基礎は信頼にある。指導者間の信頼、政府・軍事当局間の信頼がなければ、同盟は単なる紙切れになるだろう。