Go to contents

戦士マケイン

Posted July. 22, 2017 09:43,   

Updated July. 22, 2017 09:49

한국어

「黒人の米国人の自負心を見せつけた歴史的な選挙だった。オバマ議員は自身と祖国のために偉大なことをやり遂げた。今夜、米国人は地球上の最も偉大な民族になった」。2008年の米大統領選挙で民主党候補のオバマ氏に敗れた共和党候補のジョン・マケイン氏の承服演説は、米政治史の感動的なワンシーンだ。「白人と黒人の戦い」と呼ばれた選挙で、マケイン氏は支持者がオバマ氏に対する人種差別発言をすると、「オバマ氏は品格のある米国市民だ。オバマ氏が米国の大統領になることを恐れてはならない」と制止した。

◆2012年7月、共和党全党大会を取材するためにフロリダ・タンパに向かう早朝、ワシントンのロナルド・レーガン空港で偶然、マケイン氏に会った。共和党の大統領選候補ミット・ロムニー氏の応援演説に行くところだった。VIPラウンジを利用せず、同行する秘書もおらず、かばんも自分で持っていた。機内ではエコノミー席に座った。2008年の大統領選当時、メディアがオバマ氏の記事で埋め尽くしても、マケイン氏はメディアを非難しない紳士的な政治家だった。

◆戦闘機の操縦士としてベトナム戦に参戦したマケイン氏は1967年10月、作戦遂行中にハノイ市の工場地帯でソ連の地対空ミサイルを受けて捕虜になった。翌年、父親のジャック・マケイン氏が米太平洋司令官になると、北ベトナムは息子の釈放を提案した。しかし、マケイン氏は「先に入った者が先に出る」という軍規則に従うべきだと断った。マケイン氏が「英雄」と呼ばれる理由だ。

◆今年80歳のマケイン氏が、悪性脳腫瘍の診断を受けて手術を受けたという。マケイン氏は「戦争の英雄」ではないと評価を下げたトランプ大統領も、「マケイン氏はいつも戦士(fighter)だった」と声明を出した。闘病中もマケイン氏は、「議会内の私のスパーリングパートナーには不幸なことだが、私はすぐに戻る。だから待っていろ!」とユーモアを忘れなかった。「在韓米軍駐留費の相当部分を韓国が負担していることに対して米国は感謝しなければならない」と直言する「親韓派」マケイン氏の回復を祈る。