蔚山(ウルサン)科学技術院生命科学部の朴鍾和(パク・ジョンファ)教授チームは、忠清北道丹陽(チュンチョンブクド・タンヤン)の古藪(コス)洞窟で発見されたクロアカコウモリの死骸から得たDNA試料を活用した。ゲノムには、進化の過程で変わった遺伝情報の多様性の程度が記録されているが、これにより、クロアカコウモリは間氷期を控えた約5万年前に、個体数が最も多かったが、それから減っていることが分かった。ゲノムの中の遺伝情報が多様なほど、個体数が多かった時期であると推定できる。
研究に参加した蔚山科学技術院生命科学修士博士統合課程のパク・ヨンジュン研究員は、「クロアカコウモリは間氷期の気候変動に適応できず、個体数が大幅に減り、1万年前の現生人類の登場で生息地が破壊され、今では絶滅危機に追い込まれたものとみられる」と語った。
研究チームは、毒性物質であるヒ素(As)に抵抗する遺伝子も発見した。クロアカコウモリが重金属に汚染された洞窟でも生きていける理由の糸口を見つけたことになる。赤毛を作り出す塩基配列も突き止めた。この研究は、米国公共科学図書館のオンライン学術誌(PLoS ONE・フロスウォン)に5日付けで発表された。
오가희 オ・ガヒ記者 solea@donga.com