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大韓民国数学の崩壊、塾に通わないとついていけない

大韓民国数学の崩壊、塾に通わないとついていけない

Posted February. 27, 2017 08:33,   

Updated February. 27, 2017 08:35

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「教育強国大韓民国」の神話が崩れている。漢江(ハンガン)の奇跡を成し遂げた教育の力に世界が注目し、一時は経済協力開発機構(OECD)の国際学習達成度評価(PISA)で首位となり、他の国々から探求の対象となっていた韓国だ。

しかし、昨年12月に発表されたPISA2015の結果は、史上最悪といえる。調査が始まった2000年以降、全領域で史上最低点に落ちた。その中でも特に目立った墜落は数学だ。この3年間、OECD加盟諸国は平均4点が下がったのに、韓国は30点も急落した。上位レベルの比率は過去最低、下位レベルの比率は最大となっている。学校や入試で他の科目より重視されているのに、崩壊の度合は最も急激と言える。

このような「数学崩壊」について、教育現場では、「来るべきものがきた」という反応を見せている。数学授業が行われる一般高校の教室で、10人中9人は居眠りをしたり、別のことをしている風景は、すでに日常となっている。中学はもとより、小学校でまで「数放者(数学を放棄した人)」が続出している。

専門家らは、韓国数学崩壊の根本的原因として、「学校教育や考える力だけでは決して『勝てるゲーム』ができない歪んだ評価構造」を取り上げている。教育当局はこの10年間、私教育を抑制し、生徒たちの負担を減らすと主張して、数学教育課程と学校授業のレベルを下方修正した。しかし、学校試験と大学修学能力試験などの「評価」は変わらなかった。その結果、私教育なしに学校教育だけを受けた生徒は、かえって良い点数を得るのがさらに難しくなったという分析が出ている。

経済的理由で数学において私教育を受けられない場合が多いが、その格差は,学力の差や入試結果の格差へとつながっている。東亜(トンア)日報が、昨年発表された2015年の統計庁資料を分析した結果、国内世帯の平均数学私教育参加率は42.5%で、所得が増えるほど参加率が増えており、所得間参加率の格差が最大で4.3倍に達した。

ソウル大学数理科学部の金明煥(キム・ミョンファン)教授は、「今の教育課程や評価方式は、完全に私教育を受ける金持ちの子供たちのための制度だ」と主張し、「教育システムが数放者を量産している」と批判した。初代国数理科学研究所長を務めたキム・ジョンハン高等科学院計算科学部教授は、「韓国の教育は『末期がん』にかかっている」と言い、「子供たちが数学を放棄したのではなく、国が教育を放棄した」と嘆いた。



林雨宣 imsun@donga.com · 魯智元 zone@donga.com