出産を1か月後に控えているチャン氏(31)は、昨年12月、臨月写真集を撮影した。産婦人科と提携している写真館で、まもなく生まれる新生児のアルバムを予約すると、臨月写真集を無料で撮ってくれたのだ。写真集を撮る前、チャン氏は、普段より食事を少なめにし、ボディスリミングクリームを購入した。氏は「最近、ママたちの間で『Dライン写真集』を撮るのが流行っている」と言い、「妊娠しても、女性にとってダイエットは一生の宿題のような気がする」と話した。
女性たちは妊婦になっても、「ダイエットへの強迫」から抜け出せずにいる。特に張允柱やカヒ、矢野志保などの有名女性芸能人たちの臨月写真集が次々と出され、「妊婦もスリムできれいでなくちゃ」という認識が広がっている。「屈辱のないDライン」や「お腹だけが膨らんで、脚線美は変わらない」、「妊婦も女ですから」など、臨月芸能人を修飾する語句も様々だ。
アランテ産婦人科のイ・ヨンジュ院長は、「臨月になると、通常、体重が12〜14キロほど増えるのが正常だ」と言い、「体重が過度に増えるのもよくないが、写真集を撮るために部分的にダイエットをするのは、胎児に良くないこともあるので、妊婦には勧めていない」と話した。
しかし、臨月写真集のブームが、芸能人から一般人に広まる傾向を見せている。11日、東亜(トンア)日報の取材陣が、「臨月写真集」でインスタグラムを検索した結果、計21万5105件の書き込みが検索された。臨月写真集を専門的に手掛けている写真館も出ている。産婦人科や産後養生院と提携した一部の写真館では、40万〜50万ウォン相当の「臨月写真集の撮影券」が飛ぶように売れている。
京畿道高陽市(キョンギ・コヤンシ)にあるA写真館には、一日に多くは9人、月に約200人の妊婦が写真集を撮りにくるという。写真館の関係者は、「家族コンセプトで撮る妊婦もいるが、『セクシーコンセプト』の写真集も多く撮りに来る」と話した。
ママの予備軍たちの間で広まっている「きれいなDライン作り」の強迫は、妊婦の体を性的対象化する認識の結果だと、専門家らは指摘している。昨年12月に出産したヤン某氏(33)は、「臨月になってもスタイルに気をつけなければならない空気が、ストレスになった」と話した。
カトリック大学医学部産婦人科学教室の申鐘澈(シン・ジョンチョル)教授は、「ダイエットのために食事量を減らすと、栄養分をまんべんなく取れないか、ストレスホルモンが増加して胎児にむしろ悪影響を及ぼす可能性もある」と語った。
李知訓 easyhoon@donga.com