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19年間6億ウォン、全州に「顔無き天使」が今年もやって来た

19年間6億ウォン、全州に「顔無き天使」が今年もやって来た

Posted December. 28, 2018 08:31,   

Updated December. 28, 2018 08:31

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毎年この時期になると現れる全羅北道全州市(チョルラブクド・チョンジュシ)の「顔無き天使」が、今年もやってきた。今年で19年目だ。

27日全州市によると、40、50代と推定される一人の男性が、同日午前9時07分頃、完山区老松洞(ワンサング・ノソンドン)の住民センターに電話をかけてきて、「住民センターの地下駐車場の入り口に紙箱が置いてあるから、恵まれない隣人に使ってほしい」と話した後、電話を切った。

住民センターの職員が地下駐車場に行ってみると、A4用紙を入れる紙箱が置かれていた。このボックスから紙幣の束とコインがいっぱい詰まった貯金箱が出てきた。「保護者のいない未成年者たち、頑張ってください。よいお年を」と書かれた紙もあった。

お金は紙幣5000万ウォン(5万ウォン札1000枚)と貯金箱から出てきたコイン20万1950ウォンを合わせて計5020万1950ウォン。彼が今年まで19年間置いたお金の総額は6億834万660ウォンに増えた。

彼は2000年4月、「困っている人のために使ってほしい」と58万4000ウォンを置いて行ったのを皮切りに、毎年年末に数千万ウォンから1億ウォンを老松洞の住民センター周辺に置いて消えた。その一方で、自分の名前と顔を一度も公開しておらず、人々は彼を「全州の顔無き天使」と呼んでいる。

困難な人のために使ってほしいという寄付者の意思に沿って、寄付金は一人暮らしの高齢者や保護者のいない未成年者たち、孫祖母家庭など、老松洞地域の困っている人のために使われてきた。全州市は10人余りの「天使奨学生」を選抜して、大学を卒業するまで奨学金を支給している。

全州市は、「顔無き天使」の善行を称えるために、2009年、老松洞住民センターの隣に記念碑を立てた。今年3月は、100年後の全州の宝物になるだろうという趣旨で、全州の未来遺産に確定し、最近では住民センターの入口に天使記念館を作ることもした。老松洞の住民たちも、10月4日を「天使の日」に指定して、一人暮らしの高齢者や保護者のいない未成年者たちなど、恵まれない隣人を助ける様々な活動を行っている。

金承洙(キム・スンス)全州市長は、「今年も『顔無き天使』が力強い羽ばたきで分かち合いの種をまいた」とし、「寒波を溶かす天使の温かさが、津々浦々に広まることを願う」と話した。


金光午 kokim@donga.com