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認知症への誤解…物忘れが深刻になるからといって認知症へと悪化することはない

認知症への誤解…物忘れが深刻になるからといって認知症へと悪化することはない

Posted December. 15, 2018 08:38,   

Updated December. 15, 2018 08:38

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脳の感情機能は老化しないという言葉がある。実際にそうである。看護師が腹を立てば認知症患者も嫌がる。逆に看護師が愛情を持って、母親のように接すれば、認知症患者はいうことをよく聞く。このため、認知症患者を抱えている家族の関心と愛が最も重要だ。キム・オス教授の助けを借りて、認知症に対する誤解についてまとめてみた。

「1」物忘れは認知症へと悪化しない

物忘れと認知症は、記憶力低下という面では似ている。しかし、物忘れは医学用語で「短期記憶障害」という。脳が一時的に、検索や抽出能力を発揮できないという意味だ。物忘れは治癒が可能である。一方、認知症は、認知機能全体が深刻に破損した状態だ。物忘れがひどくなるからといって、認知症へと悪化したりはしない。

「2」認知症とせん妄は異なる疾患だ

記憶力と集中力が低下して、幻想を見たり、他の人や時間、場所を思い出せない病気を「せん妄」という。大手術を受けた患者に、回復段階や長期入院の際によく現れる。治療の後遺症であることもあるし、薬物の副作用の場合もある。総合病院に入院した患者の10〜20%から現れる精神疾患である。せん妄は、夜に症状がひどくなり、日中は比較的少ないのが特徴である。

「3」花札は認知症予防に役立たない

普段花札をよくやっていたなら、認知症後も花札はできる。ただ、花札自体が認知症を防ぐことはない。脳をたくさん使う活動をすれば、認知症にかかっても同じ活動をする傾向が強い。例えば家と病院を行き来する活動を多くすれば、認知症にかかっても、その活動を「体」が覚えているので、他の活動より容易にできる。このような理由から、認知症の初期患者であれば、必ず必要な活動は、繰り返して訓練することが重要である。

「4」一部の認知症は治療が可能である

認知症は絶対に治せない疾患だと思ってはならない。原因によっては、治療が可能かもしれない。例えば脳腫瘍、脳出血、脳水腫などの脳疾患と感染疾患、慢性アルコール症や代謝性疾患のようなことが原因であれば、その病気を治療することで認知症の症状を緩和できる。したがって、認知症が疑われれば、すぐに病院を訪れて原因から把握することが重要と言える。

「5」認知症患者の看護原則を守れ

認知症患者がいれば、環境を急に変えてはならない。性格が鋭くなるので、議論をしてもならない。会話は簡潔かつ正確にするのが良い。危険なものはすべてを無くすべきだ。昼間は運動を定期的にするように、スケジュールを組まなければならない。風呂とトイレの壁に手すりをつけ、床にはマットを敷いて置くべきである。


金相勳 corekim@donga.com