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通信が切れると日常が止まった… 「IT超接続社会」の逆風

通信が切れると日常が止まった… 「IT超接続社会」の逆風

Posted November. 26, 2018 08:55,   

Updated November. 26, 2018 08:55

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火が出たのはビル1軒だったが、ソウルの週末がお手上げといえるほどめちゃくちゃだった。24日、ソウル中西部地域を管轄するKT阿峴(アヒョン)支社で起きた火災は、麻浦区(マポグ)、西大門区(ソデムング)龍山区(ヨンサング)、中区(チュング)、恩平区(ウンピョング)、永登浦区(ヨンドゥンポグ)の6つの区と京畿高陽市(キョンギ・コヤンシ)の一部まで通信ができなかった。休日の午前、自宅で団欒な時間を過ごしていた家族は、通信の切れたテレビとインターネットのため、大きな不便を強いられた。携帯電話とクレジットカードの端末で生業に携わっている自営業者と宅配運転手などが被った経済的損失は測りきれないほどだ。

25日、ポータルやソーシャルネットワークサービス(SNS)は、麻痺した日常で埋め尽くされた。店にはクレジットカードの決済ができず、現金のみを受け取るという案内文が掲げられ、予め現金を確保できなかった市民たちは、KTではないネットワークを使う現金自動預け払い機(ATM)を探して街をさまよった。初雪の降った週末、恋人、友達と新村(シンチョン)、弘益(ホンイク)大学前などで約束をしていた人たちは、突然連絡が途切れて地団太を踏んだ。ネットカフェやゲームセンターなどは、強制的に開店休業の状態になった。

第5世代(5G)モバイル通信の電波送出を1週間後に控えて起きた今回の事態は、情報技術(IT)が進化しても安定性が担保されなければ、見掛け倒しという「警告」だった。ネットワークを基盤にすべての人とモノが繋がる「超接続社会」には、自動走行車とスマート工場までが止まり、人命被害につながる可能性がある。事故で警察ネットワークの一部が麻痺され、通信溝にスプリンクラーはおらず、消火器1つだけが備えられていたという事実も明らかになり、有事の際の補完対策が急がれる。

政府とソウル市、KTなどは、事故対策作りに乗り出したが、ネットワークの復旧と被害補償までは時間がかかると予想される。完全回復までに1週間ほどがさらにかかるが、迂回路を通じた通信品質が下がることがある。


申東秦 shine@donga.com