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交通渋滞―非常口の混雑などの解決方法…アリに学ぶ

交通渋滞―非常口の混雑などの解決方法…アリに学ぶ

Posted August. 17, 2018 10:05,   

Updated August. 17, 2018 10:05

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京釜(キョンブ)高速道路のソウル料金所を過ぎてソウルに進入すると、突然渋滞がひどくなる。17車線にわたって並んでいた料金所通過の車両が、一気に5車線道路に集まるからだ。ボトルネック現象である。締め切りセールをするスーパーのレジ台前を通る人、火災の起きた公演会場で非常口から急いで脱出する人も同じようなことを経験する。ボトルネック現象を避ける妙案はあるだろうか。17日、学術誌サイエンスによると、米国とドイツの研究チームがアリの行動を物理的に研究して解決策を探した。その秘密は意外に「怠け」と「不平等な仕事配分」にある。

#1.組織員の70%は怠けるのがいい

米ジョージア工科大学物理学科のダニエル・ゴールドマン教授チームは、ヒアリ30匹を泥のようなガラス玉で満たした容器に閉じ込めた後、これらのアリがトンネルを掘る様子を二日間観察した。それぞれのアリは、地中のガラス玉を外に掘り出しながら、数百回ずつ穴を出入りした。ところが、全体の3分の2以上はほとんどの仕事をせず、約30%のアリが地面を掘る作業の大半(70%)をこなすことを発見した。22~31%のアリは、一度も地面に入らずのんびりしていたし、それさえも穴に入ったアリの多くは、ガラス玉を掘り出さずにそのまま出るのが落ちだった。交代したり移動するアリを除けば、すべての瞬間、地中で実際に働くアリの数はさらに少なくなり、全体の7〜10%だけが仕事をした。

集団のメンバーの大半が怠けているなんて、一見非効率的なようだが、研究チームは数学モデルを使ってこれがむしろ効率的であることを確認した。論文の第1著者であるジョージア工科大学機械工学科のジェフ・アギラ研究員は、電子メールでのインタビューで、「狭い場所では同時に過度に多い数が働く状況だけは絶対に避けるべきだというのがアリの教訓だ」とし、「このような状況では、少数が集中的に働き、残りは怠ける不平等な(unequal)業務の割り当てが最適の結果を生む」と話した。

現実にも適用できる。たとえば部屋から150人が緊急脱出する場合、全員が同時に出ようと苦労するよりは10〜15人ほどの少人数が道を開け、30人が交代で仕事を助け、残りの100人余りはじっくり座って待っているほうが賢明である。

#2.リーダーは要らない。誰が働くかは状況が決める

研究チームは、仕事を引き受けた30%のアリは有能だから多くのことをするのではないという事実も発見した。研究チームは最も懸命に働いたアリ5匹を群れから取り出した。すると、他のアリたちが地面を掘る作業に代わりに投入された。アリの数は減ったが、作業効率は同じく維持された。誰が働くか、彼がどれほど仕事がうまいかは、全体の効率に影響を及ぼさない。仕事を配分するリーダーも必要なかった。誰が働くかは、まったく与えられた状況に応じてその都度偶然に決まった。

研究チームはただ興味のために、アリを観察したのではない。地震や崩壊事故などの災害現場で、がれきの山を片付けながら人を救助する人工知能の群集ロボットに、この法則を応用できると見て実験を行った。細長い通路に建物のがれきに真似た親指サイズの磁石の球をいっぱい詰め込んだ後、大人の拳ほどのゴキブリ形の自律走行ロボットを1〜4台まで投入して、がれきの除去作業の効率を比較した。その結果、アリと同様に、すべてのロボットを出動させたときより、一部(一台)が休むときのほうがより効率的に作業を行う事実を確認した。アリと休む割合が異なるのは、ロボットの判断力と機能がアリより落ちるからだと解釈した。アギラ研究員は、「ロボットの性能を改善して、より精密な戦略を研究する計画だ」と明らかにした。


ユン・シンヨン東亜サイエンス記者 ashilla@donga.com