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都心の中の大使官邸、美しさと個性ある雰囲気を誇る

都心の中の大使官邸、美しさと個性ある雰囲気を誇る

Posted June. 30, 2018 10:32,   

Updated June. 30, 2018 10:32

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モダンな印象の高層ビルが密集しているソウル光化門(クァンファムン)の周辺には、小さいながらもユニークな外観を誇る複数の建物がある。都心というよりは、大学のキャンパスに似合いそうな形の建物で、エキゾチックな趣を盛り込んでいる。この中には、小高い石垣の向こう側にあるので、全体の姿をなかなか見ることができず、なおさら好奇心を刺激するものもある。一般人には限定的に開放されて、訪問が容易でないという特徴もある。ほかならぬ各国の大使館である。

大使館の建物は、一国の外交を象徴するアイコンの一つとみなされている。ソウルに駐在するとある外交官は、「国ごとに程度の差はあるものの、大使館の建物を国家広報の最も基本的なツールであると考えている」とし、「大使館を飾るときは、自国と駐在国との歴史的関係と文化交流をよく示すことのできる要素を積極的に反映しようとしている」と語った。韓国の場合も、国際社会での存在感が高まり、アジアはもとより、北米や欧州でも「韓流ブーム」が高くなっていることを受け、各国が大使館を活用した「自国PR」になおさら力を入れている傾向である。

恋人たちがデートを楽しむ通り、都会の会社員たちの散歩コースとして有名なソウル中区(チュング)にある貞洞(チョンドン)路には、遠くから見れば薄い茶色の大きな木が連想される建物がある。この建物の前には高さ17メートル、直径5.2メートルの樹齢520歳のエンジュ(ソウル市指定の保護樹)が立っていて、不思議な調和を成している。

建物の周りには、御影石のベンチや噴水もあり、天気が良い時は気軽にコーヒーを飲んだり、話し合う人々の姿を常に見ることができる。週末は、この建物と木を背景に結婚記念撮影をする人も多い。ほかならぬ駐韓カナダ大使館である。

白樺の森と山からインスピレーションを得て設計されたカナダ大使館は、静かな建物の多い貞洞路でも目を引く外観を誇る。カナダは、最も積極的に大使館を開放する国に挙げられている。毎週火曜日と木曜日は、昼12時から午後5時まで地下1階を一般にも開放する。簡単なセキュリティ検索手続きだけを踏めば、誰でもここを訪れることができる。

この空間の正式名称は、「カナダ情報センター」。大使館職員と訪問者の間では「小さなカナダ図書館」と呼ばれる。カナダの政治、社会、経済、文化などに関する様々な本を持っている。カナダ関連の映像資料も参照できる。大使館側によると、月150〜200人がここを訪れる。

情報センターはもともと、カナダ訪問の際に必要なビザ審査が行われたところだった。しかし、ビザ関連業務がすべてインターネット基盤で行われることになり、カナダ大使館が図書館に用途を変えたのである。カナダ大使館のコ・ミジン広報官は、「韓国国内にカナダの関連資料を一堂にこれほどたくさん保有しているところはないだろう」とし、「カナダに興味がある人なら誰でも訪ねてきて楽しむことができる」と話した。

建物のロビーにも些細な見物がある。カナダを象徴する動物である大型ムース(ヘラジカ)人形「ムチョリ」と「世界最強」と言われる国家代表アイスホッケーチームのユニフォームが展示されている。ロビーを小さなカナダの広報スペースに飾って、誰でも簡単に写真撮影ができるようにしたのである。カナダ出身で、1919年の3・1運動(独立運動)当時、セブランス医学専門学校の教授として在職しながら、民族代表33人を助けたフランク・ウィリアム・スコフィールド(韓国名はソク・ホピル)博士の顔を描いた銅版も目を引く。

通常、各公共機関は整った上、広く感じられるように建物のロビーを作る。カナダ大使館の場合は、ロビーはややくねくねしていて、全体的な建物のサイズに比べて狭い方である。建物を建てる際に、エンジュの根にできるだけ触れないように努力した結果だ。大使館側は、「自然景観に優れている上、環境保護にも格別の関心を持つカナダの価値観を大使館の建物の建設時にも適用した」と強調している。

ソウル西大門区(ソデムング)にある駐韓フランス大使館と大使官邸(大使の生活や宴会スペースで構成される)は小高い塀の向こう側に位置している。一般人にはあまり知られていないが、建築家たちの間では有名な建物に挙げられる。韓国近代建築の巨匠の一人に数えられる故金重業(キム・ジュンオプ)先生が設計したからである。

フランス大使官邸は1962年に建設された時から、韓国とフランスの情緒を調和をもって込めたという評価を受けてきた。何よりも、韓国伝統の線とフランスならではの品位をよく生かしたという分析が多い。宙に浮いているような感じを与える屋根は、建築専門家らの間では依然話題となっている。韓国だけでなく、フランスの建築界でも優れたデザインを誇る建物として認められている。

大使官邸の全体的なインテリアは、モダンスタイルである。リビングやダイニングなどの主な場所が、韓国とフランスの調和とコンセプトの下で施さているのが特徴である。韓国とフランスの家具や小物が適切に調和を成して配置されている。例えば、フランス大使が3〜5人程度の小規模なグループと談笑を交わすときに好む場所である「小さな黄色い応接室」のソファ、テーブル、カーテン、クッションなどは、すべてフランススタイルである。しかし、ここに飾りとして置かれた家具は、かつて医院で漢方薬の材料を保管する用途として使われた薬のキャビネットである。フランスと韓国産の磁器も一緒に置かれている。

ミリアム・サンピエール駐韓フランス大使館広報官は、「両国ともに伝統と歴史を誇る文化強国であるだけに、様々な素材を調和をもって飾ろうと常に努力している」とし、「このような方針は、大使官邸の建物が初めて建てられた時から今まで維持されている」と語った。

小さな黄色い応接室は、ソファやカーテンなどの主な小物がすべて黄色い系統である。秋は窓の外に黄色いカエデの葉までが見える。大使官邸を訪れた人の多くは、「最も居心地の良い快適な場所」に挙げる。

大使官邸は、普段は一般に開放されない。しかし、この建物を訪問する機会は多い。フランス大使館とフランス文化院が主催する「合同の夜」の行事の時だ。フランスに関心の多い人々とフランス人の芸術家、作家、専門家たちの出会いを取り持つこの席は、毎月1回ずつ大使官邸のメインサロンで開かれる。

通常、行事が開かれる2、3週間前に、フランス大使館のホームページを通じて告知され、ここで申請をする人たちに参加機会を与える。7月11日は「600年の歴史の韓国料理と文学」というテーマで、ソウル瑞草区(ソチョグ)にあるフランスレストラン「ル・シェフ・ブルー」のローラン・ダレ・シェフと伝説的な王室料理長であるギヨーム・ティレルの著書「タユヴァンの料理書」を韓国語で訳したファン・ジョンウク翻訳家が対談する予定だ。

ソウル市中区(チュング)の徳寿宮(トクスグン)の近くにある駐韓英国大使館は、「秘密の庭」のような感じである。周りに塀が張られており、木や花が生い茂った庭の中にあるからだ。小さなプールもある。

春になれば、大使館の庭には、英国を象徴する花であるバラが満開となる。最近では、さくらんぼの木にさくらんぼがいっぱい実った。農薬を使わずに庭の手入れをするので、ここで実るサクランボは軽く水で洗って食べてもいい。大使館の職員の勧めで味わったサクランボは、ややショッパイ味だったが、新鮮さは感じられた。

英大使館の中で最も魅力的な場所は、1890年に建てられた英国大使官邸である。事務棟の裏手の広々とした庭の裏側に建てられた大使官邸は、古風な洋館そのものである。見ているだけで、100年前に戻ったような感じがする。赤レンガには、歳月の痕跡がいっぱいついている。それほど大きくも、派手でもない。しかし、仄かと品位は十分感じられる。

大使官邸の内部もアンティークな感じである。英大使が主催する宴会、カンファレンス、記者会見などの「対外行事」が主に行われる1階は、英国風のデザインを込めた空間である。一目で見ても、壁つき暖炉、シンプルなソファとテーブル、ほのかな照明が備えられている応接室は、映画で見た伝統的な英国邸宅のインテリアと似ている。窓枠も古い感じの木で作られている。

建物の歴史が深く、見た目もユニークなので、放送番組にも登場したことがある。昨年は人気番組「1泊2日」のソウル未来遺産ツアーの編で紹介された。当時1泊2日は、ソウルで歴史と文化的価値のある建物を紹介する形式で構成され、大使官邸がこれに含まれた。  


李世亨 turtle@donga.com