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ソウル仁憲小学校でアスベスト検出、始業延期

ソウル仁憲小学校でアスベスト検出、始業延期

Posted February. 24, 2018 09:15,   

Updated February. 24, 2018 09:15

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冬休み中にアスベスト撤去工事を行ったソウル冠岳区(クァンアクク)にある仁憲(インホン)小学校のあちこちで再び1級発がん物質であるアスベストが検出された。仁憲小学校は、教育庁の調査で問題がないと判定されたが、環境団体と保護者が中心となった再調査で問題が明らかになった。今年の冬休み期間中にアスベスト撤去工事を行った学校は、ソウルの79校を含めて全国で1240校に上る。これらの学校でもまだ同様の問題があるという懸念が出ている。

23日、環境保健市民センターは記者会見を開き、「仁憲小学校の校内で採取した試料32件を分析した結果、15件の試料から1~4%のアスベストが出てきた」と明らかにした。チェ・エヨン環境保健市民センター長は、「今回の調査で白石綿だけでなく、健康により致命的な茶石綿と青石綿も検出された」と語った。茶石綿と青石綿は、アスベストの6種類の中で最も毒性の強い物質で、韓国では1997年から使用が禁止となっている。

仁憲小学校の保護者約50人は同日、防塵マスクをつけたまま、記者会見の会場で曺喜昖(チョ・ヒヨン)ソウル市教育監に会って激しく抗議した。パン・ウンギョン仁憲小学校保護者緊急対策委員会代表は、「教育当局と(アスベスト撤去)会社は、『冬休み中に工事を終えなければならない』『資材交換や追加清掃に使う予算がない』という言葉を繰り返した」とし、「他の学校は問題がないと誰が断言できるだろうか」と指摘した。

曺教育監は、「授業開始を先送りして、安全が確認されるまで学校を閉鎖することを検討したい」と語った。これにより、仁憲小学校は再検査の結果が出るまで一時休校に入るとみられる。ソウル市教育庁の関係者は、「教育庁が調査を依頼したときは、アスベストの残留物が出てきた学校は1校もなかった」とし、「仁憲小学校でアスベストが出てきたのは、検査機関ごとに試料採取方法が異なるためとみられる」と説明した。

絶縁性と耐燃性に優れて、一時は建築資材として広く使われたアスベストは、世界保健機関(WHO)が定めた1級発がん物質である。粒子がとがったアスベストは、肺に入ると肺胞に刺されて悪性腫瘍を作る。工事中に出てきたアスベストの残渣は、粉の粒子形状であり、大量のアスベストが呼吸器を通して体内に吸収されることもある。


林雨宣 imsun@donga.com · 李美智 image@donga.com