「芸術空港(Art Port)」
18日にオープンする仁川(インチョン)国際空港の第2旅客ターミナルは、飛行機が離着陸する空
間を越えて、最高の文化空間になりたいという抱負を持っている。その出発点であり、分け目となる「アートポートプロジェクト」に、空港では約46億ウォンを投入した。ジニー・ソ、ジュリアス ・ポップなど、韓国内外の有名作家18人の作品が乗客を迎える。
最も目を引くのは、やはり「フランス美術界のスター」グザヴィエ・ヴェイヤン(55・写真)の「グレートモビール」である。3階出国ゲートに設置された高さ18.5メートルのこの作品は、見なかったふりをして通り過ぎるのも難しい。11日のオープン記念記者会見に合わせて来韓したヴェイヤンは、「仁川空港のような国際的空間で多くの人々が私の作品と遭遇するのは、作家にも大きな意味を持つ」と語った。
ーー「グレートモビール」で最も力を入れたことは…。
「謙虚さとバランスである。大規模なプロジェクトではあるが、ここは美術館ではない。視覚的には目立っても素朴でなければならないと思った。大きなモビールだが、自然な動きを伝えしようとした。乗客に深い印象を与えるものの、圧倒したくはない」
ーー作品が持つ意味は何か。
「モビールは、物理的法則に沿って動く。本質は同じでも、動き続きながら絶えず変化する。まるで自然の風景や昼と夜のように。空港に来る乗客とも似ている。同じ人物だが、他の状況や環境に移動するんじゃないか」
ーー設置場所が空港ということを相当意識したようだが。
「そうだ。空港は人々が24時間動くところである。21世紀を象徴する形而上学的空間というか。私の作品でも、時間と移動は非常に重要な要素となっている。小さくは私の作品が、乗客が巨大な空港の中で自分の位置を把握できるのに助けになればと思う」
ーーアートポートを追求する仁川空港に望むことがあるなら…。
「最近、多くの空港がスーパーやショッピングモールに変わっていくのが残念だ。私にとって旅とは、ロマンと好奇心、恐怖が共存する概念である。利便さもいいが、人々はまだ旅行で感性的な『発見』を願うのではないだろうか」
丁陽煥 ray@donga.com