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「難民にしてくれる弁護士」 SNSで隠密な取引

「難民にしてくれる弁護士」 SNSで隠密な取引

Posted December. 02, 2017 10:20,   

Updated December. 02, 2017 10:41

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韓国にあるエジプト人親睦会は最近、フェイスブックに秘密のグループを作り、難民申請に成功する「ノウハウ」を共有した。ある難民申請者が、「難民申請が棄却された」と悩みを打ち明けると、別の会員が「難民にしてくれる弁護士を紹介してやる」と書き込んだ。弁護士とはほかでもない「ブローカー」だった。秘密グループには、駐韓エジプト大使館前で開かれるエジプト人の反政府集会に参加して写真に撮られれば、難民申請に有利という書き込みもあった。写真を出入国管理事務所に提出して、反政府活動家と認めてもらうためだ。

審査制度の隙をついて金を得ようとするブローカーが、切迫した状況に置かれた本当の難民を泣かせている。済州(チェジュ)地方検察庁は7月、不法滞在者から大金を受け取って虚偽の難民申請をさせたブローカー組織を在宅起訴した。彼らは、「微信」(中国版カカオトーク)などに広告を載せて、不法滞在者から300万~500万ウォンの手数料を受け取り、宗教的理由などで虚偽の難民申請を出させた。

ブローカーが悪用する「制度の隙」は、出入国管理事務所の難民審査の平均期間が長いということだ。難民法では、難民申請から6ヵ月、最大1年内に難民審査を終えるよう規定しているが、人手不足で審査が6ヵ月以上かかるケースがほとんどだ。難民申請すれば臨時ビザ(G1ビザ)が発行され、申請者は結果が出るまで韓国に滞在することができる。たとえ難民不認定の結果が出ても、異議申請や行政訴訟などで平均的に1年6ヵ月から2年の間、合法的に滞在できる。このような点を利用して、ブローカーはソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)などを通じて就職ビザの満了が迫る外国人労働者や不法滞在者に「黒い手」を差し伸べている。

ブローカーが活躍するほど、本当の難民の苦しみは増す。虚偽難民申請をするいわゆる「乱用的難民」が増えるほど、平均の審査期間が長くなるため、緊急に韓国政府の助けが必要な真の難民も長時間待たなければならない。本当の難民であっても、難民審査で乱用的難民でないか疑いの目を向けられることになる。

昨年末、難民認定を受けたロシア人のオクサナさん(40・女)に難民ブローカーについて尋ねると「ブローカーために善良な申請者の被害が大きい。本当に腹立たしい」と憤った。オクサナさんも在韓ロシア人の親睦フェイスブックで、ブローカーの広告を何度も目撃した。そして、「難民制度は不法滞在者を合法滞在者にするためのものではない」とし、「G1ビザを得たからといって人生が永遠に幸せになるわけではない」と話した。

最近では一部の宗教勢力が審査制度を悪用しているという問題提起もある。中国の新興宗教「全能神教」は、審査制度を悪用して信徒を韓国に連れてきている。

今月半ばには、宗教にのめり込んで家庭を捨てて韓国に来た家族を探すために、被害者たちが韓国を訪れた。全能神教が中国で邪教と指定されたが、申請者が本国で迫害を受けたかどうかは確かでないと、法務部関係者は伝えた。



ウィ・ウンジ記者 wizi@donga.com