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北朝鮮亡命兵、「チョコパイが食べたい」

北朝鮮亡命兵、「チョコパイが食べたい」

Posted December. 01, 2017 09:21,   

Updated December. 01, 2017 09:50

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「チョコパイが食べたいです」

先月24日、京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)にある亜洲(アジュ)大学病院の一般病室に移した北朝鮮亡命兵士オ・チョンソン氏(25)は最近、医療スタッフにこう言った。「チョコパイをなぜ知っているか」と尋ねると、オ氏は「開城(ケソン)工業団地のようなところから多く出たと聞いている」と話した。2000年代半ば、開城工業団地を通して知られたチョコパイは、北朝鮮住民の間では一時人気がピークに達した。

医療スタッフは、このようなオ氏を見て、映画「共同警備区域JSA」(2000年)を思い出したという。映画の中で、北朝鮮兵士として出てきた俳優の宋康昊(ソン・ガンホ)と申河均(シン・ハギュン)はチョコパイを見て、不思議がりながらおいしく食べる。しかし、オ氏はチョコパイを食べられなかった。体調が良くなったとはいえ、お粥と水キムチの汁しか食べることができない。

オ氏はまだ完全に安心できる状況ではない。B型肝炎と肺炎の症状を見せているオ氏は、自分がB型肝炎にかかっていることさえ知らなかったと、病院の関係者は伝えた。ウイルスに感染して発生するB型肝炎は、北朝鮮では比較的蔓延した疾患である。

病院の関係者は「オ氏にB型肝炎について説明しながら、『症状が深刻なのに、状況がこうなるまで知らなかったのか」と尋ねたが、感染事実はもちろん、B型肝炎ウイルスが何であるかも知らないような反応を見せた」と話した。ウイルスという言葉自体にも不慣れな気配だったという。ただ、北朝鮮では、ウイルスを「ビルス」と呼んでいるので、最初聞いたときは理解できなかったのかもしれない。しかし、エリート階層と知られているオ氏が感染していることすら知らなかったのは、北朝鮮軍の疾病管理が適切に行われていない裏付けだと、医療スタッフは見ている。



權基範 kaki@donga.com