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希少血液型の患者を韓米日の協力で救う

Posted November. 29, 2017 09:14,   

Updated November. 29, 2017 10:16

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16日午後5時、日本の関西空港から金浦(キンポ)空港に出発した航空貨物便。ドライアイスが入った白い発砲スチロールの箱に鮮紅色の冷凍血液5ユニット(1ユニット=400ミリリットル)が入っている。非常に希少な血液型である「バーディバー・バーディバー(-D-/-D-)」だった。翌日午前、冷凍血液の解凍に必要な解凍液が京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)の米軍基地からソウル・セブランス病院に出発した。解凍液を持っているのは国内で米軍平沢病院だけだ。

韓国と日本、米国の協力でセブランス病院に入院していた希少血液型の患者、キム・ドングムさん(72・女)の心臓が劇的に再び動いた。日本赤十字社の血液提供と米軍の解凍液がなかったなら不可能なことだった。希少血液型の患者が海外から空輸した血液で輸血を受けたのは、2004年に続き2度目。

今月2日に入院したキムさんは細菌が感染して心臓に炎症を起こす「感染性心内膜炎」の診断を受けた。心臓弁膜の損傷で血が逆流し、手術が急がれた。しかし、医療スタッフは思いがけない難関にぶつかった。キムさんの血液型が希少血液型の中でも最も珍しいバーディバー・バーディバーだったのだ。

手術をするにはこの希少血液を入手しなければならなかった。病院の要請を受けた大韓赤十字社は、献血者データベースで同じ血液型を持つ4人を探し出した。しかし、精密検査の結果、4人は輸血が不可能という判定が出た。大韓赤十字社は日本赤十字社にSOSを送った。韓国と違って日本は以前から国家レベルで希少血液を冷凍保管している。幸い、日本にボディーバーボディーバーの冷凍血液の在庫があった。

「血液空輸作戦」はこの時から急流に乗った。大韓赤十字社は、海外輸送会社に血液の運搬を依頼した。海外輸送会社の職員は、空港の税関で夜を徹して冷凍血液が溶けないようドライアイスを補充した。

それが終わりではなかった。苦労して空輸した冷凍血液を溶かす解凍液が必要だった。国内では血液を解凍することがほとんどないため、解凍液を得ることは不可能なことだった。この時、病院の血液センターのキム・ヒョンオク教授の経験が生かされた。キム教授は2004年に希少血液型の患者の輸血の時に血液を解凍した国内最高の血液の専門家だ。

キム教授は、米軍平沢病院に戦時物資として備蓄してある解凍液の提供を要請した。米軍側は快く解凍液を提供してくれた。キム教授は、「血液解凍は13年ぶりなので、週末に事前に解凍の練習までした」とし、「希少な血液を入手してくれた大韓赤十字社と医療スタッフのおかげだ」と話した。

最後の難関は、血液5ユニットを使った場合、輸血する血液がないということだ。手術を執刀した心血管外科のイ・スンヨン教授は、切開部位を最小限にして輸血量を最大限減らすことに努めた。それにより、手術で36分間止まっていたキムさんの心臓は、血液5ユニットのうち3ユニットだけの輸血で動き出した。退院を控えたキムさんは、「希少な血液を手に入れてくれた医師と顔も名前も知らないが献血してくれた人に感謝する」と話した。



金鎬卿 kimhk@donga.com