Go to contents

リゾート建築の「ミダースの手」の独特な「建築学概論」、ミン・ソンジンSKM建築事務所所長

リゾート建築の「ミダースの手」の独特な「建築学概論」、ミン・ソンジンSKM建築事務所所長

Posted August. 08, 2017 09:26,   

Updated August. 08, 2017 09:59

한국어
「多くの人たちが共有できる『アップグレードされたKTX』のような休養施設を建てたかった」

最近会ったミン・ソンジンSKM建築事務所所長(53)は、難解なことを口にした。自分が建築設計した、最近「ホットな」休養施設「アナンティーコーブ」を巡ってKTXだなんて...。

「KTXは『良い共有』の概念を拡張した事例だと思います。金持ちたちも釜山に行くときは、運転手が運転する乗用車を置いてKTXに乗る時が多いでしょう。早くて便利ですから」

海を建物の中に精一杯引き込んだ感覚的設計ですでにうわさが立っているアナンティーコーブ。先月中旬、釜山機張郡(プサン・キジャングン)にオープンしたアナンティーコーブは、会員制であるアナンティーペントハウス海雲台(ヘウンデ、90戸)とアナンティーレジデンス(128戸)、一般ホテルである「ヒルトン釜山」(客室310個)が調和している。

「会員制リゾートとホテルを一緒に置くことで、金持ちだけが享受してきた恩恵を中間層も一緒に得られるようにしました。また、別荘を所有するより良いリゾートの会員になった方が便利ですね。地下鉄、病院、学校、長期的には住居用ビルまで共有領域が広がるでしょう」

ヒルトン釜山には、村の形態の(集合的な)商業施設と超大型書店がある。リゾート会員と釜山市民が一緒に利用できるので、通常ホテルにある閉鎖的地下アーケードとは違う。「宿泊客でなくても、ここのコンビニで飲み物を買ってベンチに座って海を見たり、大規模な図書館のような書店で本を見たりすることができます」

彼は、米南カリフォルニア大学(USC・建築学士)、ハーバード大学デザイン大学院(都市計画学修士)を終えて、1995年にSKMを設立後、京畿坡州市(キョンギ・パジュシ)にあるブックシティヘルマンハウス(2004年)、ソウル瑞草洞(ソチョドン)にあるアクロビスタ(2005年)などをデザインした。以降、不動産開発会社(株)エマーソンパシフィックのイ・マンギュ代表(47)と一緒に、韓国国内リゾート業界の複数の「スター建築物」を作った。流線型のチタン製で慶南南海(キョンナム・ナムへ)のランドマークとなったヒルトン南海ゴルフ&スパリゾート(2006年)、ニューヨークタイムズが「死ぬ前にぜひ行ってみるべき建築45」に選んだ京畿加平郡(カピョングン)にあるアナンティークラブソウル(2012年)…。お互いを尊重するイ代表とミン所長は、建築主と建築家の信頼のロールモデルと言われている。

「以前のコンドミニアムは期待に及ばない施設が多かったですね。共有するものは、そのほとんどが安くてよくないという考え方を完全に変えて見たかったんです」

アナンティーペントハウス海雲台は、全室が海に面しており、プライベートプールと露天風呂を備えている。ヒルトン釜山は、ロビーを10階に引き上げ、壮大な海の景色に向き合うようにした。 「海辺で生まれて育ったので、海が故郷のような気がします。海の深くて長い呼吸を盛り込みたいと思いました。宿泊客はそれぞれの海上の城主になれるといいですね」

彼は、慶北慶山市(キョンサンシ)のとあるシルバータウンも設計している。洗練されたメタル建築物である。「国内のシルバータウンの概念を変えるプロジェクトですね。年配の方々も洗練されて便利な建物で過ごすことができればと思います。初めて入る時は、心理的抵抗が大きいですが、いざ入るとすごく楽な、老年を共有する建築物がシルバータウンです」

「建築は、自然の道理を理解し、人間の生活を盛り込むことだ」というのが彼の話だ。彼が考える休養とは? 「少しづつ自然、家族、大切な人たちと交わりながら、私たちが持っているものを分かち合える休養を見つけたいと思います。共有施設をアップグレードして、最終的には価格を引き下げ、サービスの質を高める概念に発展しなければなりません」。ようやく彼の「アップグレードされた共有建築論」を理解できるような気がした。



金善美 kimsunmi@donga.com