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昨年冬の「エッフェル塔失踪事件」でパリ市が交通規制

昨年冬の「エッフェル塔失踪事件」でパリ市が交通規制

Posted May. 13, 2017 10:02,   

Updated May. 13, 2017 10:03

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フランス・パリを訪れる観光客が最も多く訪れる観光スポットの一つであるトロカデロ広場。エッフェル塔の全容を撮影できるこことエッフェル塔との距離はわずか700メートルだ。ところが昨年の冬は、この広場からエッフェル塔の形が見えなくなる衝撃的な日々が続いた。

市当局は、粒子状物質の汚染数値が1立方平方メートル当たりに80μgを超えると、直ちに市民車両の2部制を実施した。通常年に1、2回発動されていたこの措置は、昨年12月6日から9日まで4日間連続して続いた。車両から噴出される煤煙ガスでも減らして、それ以上の大気質悪化を防ごうという趣旨だった。タクシー、救急車、3人以上の搭乗車両、エコ車両を除くすべての車両は、車両のナンバープレート末尾の数字により、奇数または偶数の日に運行が禁止された。車両運行台数が急に落ちると、かすんでいた空も徐々に元の色を取り戻した。

市当局は、全国68カ所に点在している大気汚染監視所「エアパリプ」の次の日の空気汚染度の予測値に基づいて、警報発令如何を決定する。24時間50μgを超える場合、1次警報が出される。段階に従って、△車両の最高速度減少、△車両2部制、△5等級車両の運行禁止など、さまざまな措置が続く。通常、前日午後遅く、車両2部制が決まり、急に車を利用できなくなるが、パリ市民は共同体のために、大きな不満もなく、よく従う方だ。

市当局は、車両2部制が施行される間は、一時的に公共交通機関の利用を無料化し、市民の協力に応えている。アンヌ・イダルゴ市長は、今年2部制を実施した4日間連続して1日に50億ウォンの費用を負担してまで、公共交通を無料化した。地下鉄やバスなどの公共交通だけでなく、パリの公共自転車「ヴェリブ」、公共電気自動車「オートリブ」を全て無料で利用させている。

パリ市は昨年1月から、大気汚染がひどい日に近郊に住む住民が車を置いて通勤すると、駐車料金を支援する制度も導入した。公共交通利用を増やすための措置であり、今年に入って7回発動した。パリ市内には駐車スペースが足りず、多くの人たちがお金を払って、通りに駐車している。パリ市はホームページを通じて事前に申し込みをすれば、電子メールで自宅周辺に駐車できる無料駐車場を案内している。

生態主義者であるイダルゴ市長は、大気汚染を防ぐためのさまざまな対策を次々と打ち出している。今年1月から、パリ市を含む首都圏を行き来するすべての車両は、年式や燃料などに応じて1〜5等級に分類された排出ガスステッカーを車両前に取り付けることが義務付けられている。1月は大気汚染が深刻になると、排出ガス量が最も多い5等級車両の運行を禁止させた。5等級とは、2001年以前の登録車である。普段も5等級車両は、平日の昼間はパリ中心部に進入できない。

月に一度、シャンゼリゼ通りに車を全面統制する一方、セーヌ川周辺からすべての車道をなくし、歩行者専用道路に徐々に切り替える作業も行っている。2025年までに都心からディーゼル車を完全に追い出すという計画も発表した。



董正民 ditto@donga.com