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トランプ大統領、「当選の功労者」コミーFBI長官を電撃解任

トランプ大統領、「当選の功労者」コミーFBI長官を電撃解任

Posted May. 11, 2017 08:33,   

Updated May. 11, 2017 08:34

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米国のトランプ大統領が、米連邦捜査局(FBI)のコミー長官(57)を電撃解任した。

コミー長官は、昨年の米大統領選の終盤に民主党候補だったヒラリー・クリントン元国務長官の「メール問題」の捜査再開を決めた人物。有権者にクリントン氏に対する否定的な認識を植えつけ、トランプ氏の大統領選勝利に決定的な貢献をしたと評価された。このため一部では、当選の功労者であるコミー氏が最近、トランプ氏の言うことを聞かないという理由で、「狡兎死して走狗烹らる(役に立った者も務めを果たしたらお払い箱になる)」という分析もある。

9日、米紙ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストによると、トランプ氏は「コミー氏がクリントン氏のメール問題の捜査を十分に処理できおらず、FBIを効果的に率いるのに不適格」という司法省の勧告を受け入れ、コミー氏を解任した。

コミー氏は先週、米上院公聴会で、クリントン氏のメール問題と関連して誤った陳述をしたという非難を受けた。当時、コミー氏は、「(クリントン氏の最側近であるフーマ・アベディン氏が) 数百、数千件のメールを(前夫に)フォワードし、一部は機密が含まれていた」と明らかにした。しかしFBIは、「アベディン氏がフォワードしたメールは少数だった」という内容の書簡を議会に送り、コミー氏の発言を訂正した。

 

米政界ではコミー氏の発言に問題はあったが更迭するほどの深刻な事案ではないという意見が多い。特に、米国の安全保障の中心軸の一つであるFBI長官を任期が6年半も残った状況で突然解任したことは釈然としないということだ。しかも、コミー氏は自分が解任されたことを全く知らず、メディアの報道に接して冗談と思って笑ったほど、思いもよらない「侮辱」を受けた。

このため、コミー氏の実際の解任理由が、現在FBIが進めているトランプ氏の大統領選陣営のロシア内通疑惑捜査で出てくるかも知れないトランプ氏に致命的な内容を隠すためという主張が力を得ている。コミー氏は原則主義傾向が強く、FBIの独立性を強調してきたため、トランプ氏に不利な内容を適当にやり過ごさない可能性があるためだ。実際に、コミー氏は今年3月、米下院情報委員会で開かれたトランプ氏のロシア内通とオバマ政権のトランプ陣営盗聴疑惑関連公聴会で、大統領に不利な発言をした。

 

反トランプ陣営は、コミー氏の解任を受けて、ロシア内通捜査を中断させ、自分に都合のいい人物をFBI長官にする考えだとして組織的に反発している。チャック・シューマー民主党院内代表は、「国民は(コミー氏の)解任について『隠蔽』のためだという疑いを持つだろう」と非難した。同党のボブ・ケイシー連邦上院議員(ペンシルバニア州)は自身のツイッターに、「(弾劾された大統領である)」ニクソンのような(Nixonian)」行動であり、直ちに司法省は特別検察官を任命してロシア内通疑惑捜査を継続しなければならない」と主張した。

トランプ政権に批判的なニューヨーク・タイムズも、ニクソン元大統領が「ウォーターゲート」捜査を担当した特別検察官を解任した事件をいう「土曜日の夜の虐殺」に例えるなど、コミー氏の解任に不純な意図があると強調した。



李世亨 turtle@donga.com