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FBIの一撃、危機に追い込まれたトランプ大統領

FBIの一撃、危機に追い込まれたトランプ大統領

Posted March. 22, 2017 08:27,   

Updated March. 22, 2017 08:27

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米国のトランプ大統領が就任2ヵ月で最大の政治的危機を迎えている。

自身が主張したオバマ前大統領の盗聴疑惑が嘘だったことが明らかになり、昨年の大統領選をめぐりトランプ陣営とロシアが共謀したという疑惑が大きくなっているためだ。

2つの疑惑に対する鍵を握っている米連邦捜査局(FBI)のコミ―局長は20日、これらの疑惑を捜査する下院情報委員会の公聴会に出席し、「トランプ大統領が主張した盗聴を裏づける証拠は見つかっていない」と述べた。また、オバマ政府の盗聴疑惑に英国の情報機関である政府通信本部(GCHQ)が介入したというトランプ大統領の主張も一蹴した。デビン・ヌネス米下院情報委員長も公聴会で「(トランプ大統領が主張したようにオバマ政府が主導した)トランプタワーに対する盗聴はなかった」と断言した。国家安全保障局(NSA)のマイケル・ロジャーズ局長も盗聴疑惑の証拠が発見できなかったことを確認した。

トランプ大統領が先月、フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とロシアの共謀疑惑から目をそらせるために提起したとされる「オバマ盗聴疑惑」が連邦捜査機関だけでなく「実家」の共和党でも嘘と判明したのだ。

さらにコミ―長官は、ロシア大統領選挙の介入とトランプ選挙陣営の関係に再び火をつけた。コミ―長官は、「ロシアが大統領選期間、トランプ陣営と共謀し、大統領選の結果に影響を及ぼしたという疑惑を捜査している」と話した。FBIがロシア共謀疑惑に対する内偵を公に確認したのは初めて。

コミ―長官は公聴会を機に、トランプ氏当選の「一等功労者」から政敵になった。コミ―長官は昨年の大統領選の11日前、民主党候補だったヒラリー・クリントン前国務長官のメール問題を再び捜査すると発表し、クリントン氏を驚かせた人物だ。コミ―長官の変身は、トランプ大統領がFBIを『盗聴主体』に引き込んだことが決定的だったと見られている。連邦検事と司法省副長官を務めたお堅い法曹人であるコミ―長官が、まだ任期が6年半も残った状況で「盗聴機関の首長」という不名誉を受け入れられなかったということだ。

FBI長官の任期は10年だが、トランプ大統領が果たしてコミ―長官を継続して地位に就けるかは未知数だ。コミ―長官はロシア共謀疑惑について、「捜査がどれだけかかるか分からない」とし、トランプ大統領が自分を圧迫すればこの問題を長期化して困らせることができることを示唆した。ワシントン政界では、コミ―長官が、あらゆる情報を持ってワシントンを操ったフーバー初代FBI長官後、最も政治的なFBI長官になったと口をそろえる。CNNは、「コミ―長官が昨年の大統領選に続き再び政治の嵐のど真ん中に立った」と報じた。

野党民主党は、トランプ大統領の謝罪を要求した。下院民主党トップの院内総務であるナンシー・ペロシ氏は同日声明を出し、「トランプ大統領は、オバマ前大統領と米国人に対して恥ずべき扇動的なねつ造を謝罪しなければならない」と主張した。トランプ大統領の支持率は就任以来最悪の水準だ。世論調査機関ギャラップが米全域の成人1500人を対象に実施して18日に発表した結果によると、トランプ大統領の国政支持率は37%だった。1週間前の45%に比べて8ポイントも下がり、1月20日の就任後最も低い。ギャラップは報道資料を通じて、「1945年以来、就任2ヵ月の時点を基準にしてトランプ大統領が歴代最低値を記録した」と明らかにした。

 

しかし、トランプ大統領はツイッターで反論した。トランプ大統領は同日、ツイッターで「クラッパー(オバマ大統領時代の国家情報長官)と当局者は、『POTUS(President Of The United States・米大統領)がロシアと共謀したという証拠はなかった』と言った」とし、「ロシア関連疑惑は『偽ニュース(Fake news)』」と主張した。



李承憲 ddr@donga.com