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「疎通の達人」オバマ氏、政敵を招いてサンドイッチ会合

「疎通の達人」オバマ氏、政敵を招いてサンドイッチ会合

Posted March. 15, 2017 08:23,   

Updated March. 15, 2017 08:27

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「ミッチの選挙区で生産されるバーボンを一緒に飲みたい」

2014年11月5日、米ワシントンのホワイトハウス。前日の中間選挙で共和党に上下両院をすべて明け渡す惨敗を喫した後、記者会見場に現れたバラク・オバマ大統領(当時)は、今後の国政運営計画を尋ねる記者団の質問に苦笑いしてこのように話した。政敵である共和党のミッチ・マコーネル上院院内代表の選挙区(ケンタッキー州)の特産品であるバーボンを取り上げて協力すると明らかにしたのだ。マコーネル氏は「ダースベーダー」(映画「スターウォーズ」の悪役)というニックネームで良く知られた冷酷な政治勝負師で有名だ。

記者団は、「オバマケア(医療保険制度改革)を破棄するという人と会えるのか」と再度尋ねたが、オバマ氏はしばらくしてマコーネル氏をホワイトハウスに招待してサンドイッチで昼食をともにし、国政のパートナーとして接した。マコーネル氏が率いる共和党上院は、オバマ大統領の任期中、オバマケアを破棄することができなかった。自ら「私はシャイな性格」というオバマ氏は、退勤後はできるだけ家族と夕食をとったが、昼食と業務時間にはしばしば野党指導部と会って国政協力を頼んだ。

退任前、最大60%(ギャラップ調査)の支持率を記録し、惜しまれつつホワイトハウスを去ったオバマ氏は果敢に野党と意思疎通を取り、国政の重要な節目で勢いをつけた。

2016年5月、ホワイトハウス担当記者団の定例晩餐の会場で、オバマ氏がオバマケアをめぐって衝突したさらなる政敵ベイナー前下院議長と映画館で並んでポップコーンを食べる映像が紹介された。オバマ氏は、ベイナー氏に退任後どのように過ごすのがいいかアドバイスを求め、ベイナー氏は、「私は昨日の朝もビールを飲んだ。やりたいようにやればいい」と冗談をまじえて助言した。客席では爆笑が起こった。ベイナー氏は、オバマ氏のカメオ出演の提案を快く承諾した。普段からオバマ氏が野党と意思疎通をしていなかったら不可能な場面だった。

2012年末に政権に就いた安倍晋三首相も、議会内の意思疎通に積極的だ。最近も安倍首相は夫人が関与した森友学院財団の国有地安値購入問題で毎日のように野党議員から攻撃を受けながらも自分の立場を詳細に説明し、時には「今その発言は失礼ではないか」とか「不快だ」と率直な感情を述べたりもした。

執権が4年も経つと、具体的な政策事案に対して長官より貫禄がついている安倍首相が答弁に詰まった長官の代わりに手をあげて答弁するケースも少なくない。例えば、稲田朋美防衛相が南スーダン国連平和維持活動(PKO)問題で野党にひどく攻撃される場面で、安倍氏は防衛相の代わりに答弁に立ち、野党議員から「首相は警護出動するな」というヤジを聞いた。

首相と議員間の緊密な意思疎通は、長い間の日本の内閣制の政治体制下で制度的に定着した面が強い。日本で定期国会が開かれれば、首相は必ず出席して1日中野党議員の質問攻勢に直接答えなければならない。公営放送NHKはこれを生中継し、国民も国会での攻防の現場を直接見ることができる。

連合政府が日常化した内閣制のドイツでも、メルケル首相の包容と意思疎通の政治が輝いている。2013年にドイツ総選挙が終わり、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟と連合政府のパートナーである社民党は3ヵ月間、綱引き交渉を行った。その過程で、メルケル首相は社民党が主張する最低賃金制の導入、二重国籍の許可、年金受け取り年齢の早期開始、同性カップル差別撤廃などの政策をほとんど受け入れた。与党であるキリスト教民主同盟6議席、c6議席で半分に分けた長官の数は、今でもその約束が守られている。



李承憲 ddr@donga.com · 徐永娥 sya@donga.com