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ドローン規制を取っ払った米国、長距離商業配送の道が開かれる

ドローン規制を取っ払った米国、長距離商業配送の道が開かれる

Posted April. 25, 2019 09:02,   

Updated April. 25, 2019 09:02

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グーグルが、人類の未来を変える革新事業(「ムーンショットプロジェクト」)のために育成したベンチャー企業が、米国で初めてドローン(無人航空機)を利用した長距離商業配送許可を獲得した。米航空当局はドローン規制にこだわらず、既存のチャーター機免許を応用した規制解決策で、「ドローン配送」事業の道を開いた。

グーグルのドローン子会社である「Wing Aviation」がドローン商業配送のための連邦航空局(FAA)の承認を初めて獲得したと、23日、ブルームバーグニュース、ウォールストリートジャーナル(WSJ)、ワシントンポスト(WP)などが伝えた。WPは、「ウイングは、既存のドローン規制ではなく、ハワイの島々を非定期的に運航する観光用チャーターなどに適用される規制に基づいて許可を得た」とし、「ウイングは大きな障害を越えることができるようになった」と報じた。

米国ではこれまで、ドローンを利用した長距離商業配送は許可されなかった。2016年に作られた米国のドローン規制は、商業ドローンが地上操縦者の視界を離れて飛行できないようにした。長距離ドローン飛行は試験用に限って許可した。このため、ウイングは、米国ではなく、豪州で商業用ドローン配送許可を先に獲得した。

これまで米産業界では、ドローンの規制改革が遅れれば、雇用拡大が制限され、シンガポール、豪州、アイスランド、スイスなど、ドローンサービス先進国との競争で遅れかねないという懸念を提起してきた。WSJは、「産業界は、2020~2021年になってようやくドローン配送法規の枠組みが用意されるだろうと見ていた」とし、「FAAはウイングの承認を通じて、完全な規制枠組みが出来上がる前であっても、航空輸送免許を承認するという意志を示唆している」と伝えた。イーレン、チャオ交通長官は同日の声明で、「我々の経済にドローンを組み合わせる重要な措置だ」と評価した。

ウイングは、翼長1メートル、重量5kgで、電気を動力として最高時速120キロで飛行し、食べ物や薬品などを1.5キロまで積載し運ぶことができる。Wing Aviationは、このドローンを利用した配送サービスの実験を、バージニア工科大と一緒に行ってきた。航空当局の承認を受けたウィングは、数ヶ月後にバージニア州のブラックスバーグとクリスチャンズバーグの二つの田舎町でドローンを利用した配送サービスを開始する予定だ。この会社のジェームズ・ライアン・バージェス最高経営責任者(CEO)は、WPとのインタビューで、時間に追われる人々が「健康な食品を熱いものは熱く、冷たいものは冷たく数分で受け取ることができるようになれば、生活の質が変わるだろう」と述べた。

ウィングは現在、人口の少ない田舎町2か所だけで事業許可を得ている。ブルームバーグ通信は、「ウィングは、競合会社であるアマゾンのプライムエアと違って、地域内で地元商人たちの商品を販売するだろう」と伝えた。ここで配送経験を蓄積して、人口が密集した大都市に事業を拡大すると予想される。競合会社であるアマゾン、UPS、ウーバーなどが、ウィングが開拓した先例に沿って市場に進出すれば、米国で「ドローン配送競争」が本格化するものと見られる。


朴湧 parky@donga.com