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IS復活の兆し

Posted January. 16, 2019 09:05,   

Updated January. 16, 2019 09:05

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「長く延ばしてきたシリアからの米軍撤退を始めた。同時にほとんど残っていない(イスラム過激派組織)『イスラム国』(IS)の占領地域を様々な方向で攻撃している」

米国のトランプ大統領は13日、ツイッターにこのように投稿し、昨年12月に自身が発表した「シリアからの米軍撤退」の開始を伝えた。8~14日、ヨルダンなどを歴訪したポンペオ米国務長官は代わりに、「シリアから米軍を撤退しても、ISが解体されるまで最後まで戦う」というメッセージを中東同盟国に伝えた。しかし消えつつあったISの火が米軍撤退で蘇るのではないかという懸念の声も出ている。

米主導の連合軍が数年間続けてきた「IS掃討作戦」で勢力は大幅に小さくなった。ISは、イラクとシリアにかけて最大4万2千平方キロメートルほどを占領したが、現在はシリア東部のユーフラテス川の谷間付近などを占領しているだけだ。最大だった占領地と比較すると2%にすぎないほど影響力が大幅に減った。昨年12月、CNNはIS隊員を約3万人と推定した。

にもかかわらずISの反撃は弱まっていない。8日、CNNによると、ISは最近まで天候が良くない時に米軍が支援するクルド人に自爆テロなどを行っている。AFP通信は6日、ISがシリア東部のデリゾールのある村を攻撃し、クルド人部隊が主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」が23人死亡したと伝えた。

米紙ワシントン・ポストは7日、ISがイラクで再び勢力を結集しているという現地のムードが感知されていると伝えた。同紙は、「イラク政府の苛酷な対テロ政策で、ISを支持するイスラム教スンニ派の住民が増える可能性があるという不安が生じている」と指摘した。イラクでは、対テロ政策が事実上、スンニ派を抑圧すると解釈され、政府に対する怒りが高まっているということだ。また、IS撃退に大きな成果を上げたイラクのシーア派民兵隊が、スンニ派地域を統治し、スンニ派住民の不満が強まっている。

 

すでにISがイラクで勢力を集めているという分析もある。CNNは、イラク政府関係者と対テロ専門家を引用して、ISメンバーの一部がモスル南部のハムリン山地に潜伏していると伝えた。また、ISがシリアとイラクの主要な油田地帯を占領した時に蓄積した数百万ドルの資金がまだ残っているという観測もある。


ウィ・ウンジ記者 wizi@donga.com