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「親トランプ」メディアも「正恩氏にだまされた」

「親トランプ」メディアも「正恩氏にだまされた」

Posted November. 14, 2018 08:34,   

Updated November. 14, 2018 08:34

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北朝鮮が東倉里(トンチャンリ)にあるミサイルのエンジン実験施設のほかにも13ヵ所のミサイル基地を運用しているという内容が含まれた米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書が大きな波紋を呼んでいる。主要メディアは、トランプ大統領が外交的勝利と宣伝してきたシンガポール合意が、非核化への進展を生み出せなかったと批判し、北朝鮮がむしろ核とミサイル能力を高めていると指摘した。野党の民主党は米朝首脳会談まで否定しており、年明けに予定された2度目の首脳会談が開催されるかどうかも不透明だ。

●「ミサイル基地、3つのミサイルベルトに分散・配置」

 

報告書を作成したジョセフ・バミューデス研究員は米国防情報局(DIA)の元分析官であり、1980年代後半から衛星写真を通じて北朝鮮のミサイルを分析してきた専門家だ。バミューデス氏は12日(現地時間)、東亜(トンア)日報との単独インタビューで、「北朝鮮は東倉里のほかにも20のミサイル基地を作り、このうち現在運用されていることが確認された13ヵ所は、3つのミサイルベルトに分散・配置されている」とし、「戦術的ベルト(tactical belt)は非武装地帯(DMZ)付近に、作戦用ベルト(operational belt)は平壌(ピョンヤン)~咸鏡南道咸興(ハムギョンナムド・ハムフン)に、戦略的ベルト(strategic belt)は(慈江道~両江道の)深い山の中にある」と明らかにした。

戦術的ベルトには韓国全域と在日米軍基地まで攻撃できる短距離戦術ミサイルとスカッド基地が、作戦用ベルトには最大射程距離1300キロのノドンミサイル旅団が、戦略的ベルトにはハワイと米本土を狙うことができる大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の基地がそれぞれ配置されているという。バミューデス氏は、「北朝鮮が一部の基地は閉鎖して別の場所に基地を作るなど変化があった」とし、「確認されていない基地がもっとあり得る」と強調した。

●非難に沸くワシントン

CSISの報告書が公開されると、米メディアは「トランプ氏の交渉方法に問題がある」とし、遅々として進まない非核化交渉を非難した。米紙ニューヨーク・タイムズは、「報告書の内容は、北朝鮮が米国を完全に破壊できると警告した核・ミサイル計画を除去する道に入ったと自負してきたトランプ氏の主張と矛盾する」と批判した。親トランプ指向のFOXニュースも、「北朝鮮が東倉里基地の廃棄を約束しても秘密基地を建設することは米国をだますこと」とし、「トランプ氏は『ミサイル発射は止まった』と言ったが、北朝鮮は米国への攻撃を続けている」と指摘した。ワシントン・ポストは、核専門家たちを引用して、「北朝鮮が米朝首脳会談の合意を破ったわけではないが、報告書の公開で非核化交渉の膠着状態が長期化する可能性がある」との懸念を示した。

●米朝首脳会談、年明けは困難か

 

CSISの報告書は、「米朝交渉懐疑論」を「首脳会談否定論」につなぐ触媒となった。上院の東アジア太平洋小委員会の民主党幹事であるエドワード・マーキー議員は声明を通じて、「トランプ氏が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に遊ばれている」と批判した。マーキー氏は、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)とのインタビューでも、「北朝鮮と首脳会談をすることはできない」とし、「金正恩政権が核兵器と弾道ミサイル計画を中止する具体的で顕著な行動を見せない限り、トランプ氏も(ポムペイオ)国務長官も(北朝鮮と)会談をしてはならない」と強調した。

バミューデス氏は、「報告書に含まれた内容を情報機関から得たのか」という本紙の質問に即答を避けた。報告書は北朝鮮が8日にニューヨークで予定されていた米朝高官協議を一方的に中止にした5日後に公開された。ワシントンの外交関係者らは、「北朝鮮が表では非核化を語り、後ろでは核とミサイル計画を発展させて制裁緩和を求めるダブルスタンダードを強調するために、トランプ政権が確認した内容をシンクタンクに流した」という分析が説得力を得ている。


ワシントン=パク・ジョンフン特派員 イ・ジョンウン記者 sunshade@donga.com · lightee@donga.com