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デジタルの波が飲み込んだ少数言語、3ヶ月に1つの割合で消滅

デジタルの波が飲み込んだ少数言語、3ヶ月に1つの割合で消滅

Posted October. 24, 2018 08:59,   

Updated October. 24, 2018 08:59

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「言語のない国は心臓のない国と同じだ」

英国の南西部にあるウェールズの有名なことわざである。言語はコミュニケーションのツールにとどまらず、一つの共同体の文化と世界観を表現する手段であるという点を突き止めた言葉だ。この地方の土着言語であるウェールズ語では「cenedl heb iaith, cenedl heb galon」と書く。ウェールズ語は現在、ユネスコが指定した「脆弱言語」の一つとなっている。

主要国言語を中心に構成されているデジタル生態系が、欧州の少数言語の存続を脅かしている。ほとんどのグローバルインターネットサービスが、英語やフランス語などの主要国言語のみで利用できるので、少数言語を使うコミュニティの若い世代は、母国語より主要国言語により慣れているという。母国語教育に失敗すれば、その言語は、時間が過ぎて自然に消滅する。

英紙ガーディアンは17日、英語がアイスランドの危機を招いていると報じた。古ノルド語をまだ守っているアイスランドは、外来語も徹底的に自国語に変えて使うほど、母国語への誇りが格別である。34万人だけがアイスランド語を使うが、彼らは700年前の古文献も読めるほど、自分たちの言語を守ってきた。

しかし、このようなアイスランドでさえ、最近になって雰囲気が変わっている。幼い頃からインターネットを通じて英語でサービスされる映画やテレビ番組に触れてきたアイスランドの若い世代は、英語により親しみを感じ始めている。国際学習到達度評価(PISA)によると、アイスランドの15歳以下の子供や若者4人に1人は、母国語を使うのに困難を覚えている。2008年の経済危機以降、通貨安が進み、アイスランドが観光地として急浮上したのも一役買った。飲食店や商店で英語が日常的に使われることは、今はアイスランドでよく目にする風景となっている。

ユネスコは2100年まで、世界の7000以上の言語のうち半分が消滅すると予測している。言語学者デビッド・クリスタルによると、世界で言語は、3ヶ月に一個ずつ消滅している。インターネットの発達は、このスピードに拍車をかけている。英議会所属言語平等研究員のジル・エヴァンス氏は先月、議会雑誌のコラムで、「デジタル世代は、欧州言語にはるかに広範な問題をもたらした」と警告した。

エヴァンス氏は、グローバルインターネットサービスに少数言語を含める努力が、言語消滅を防ぐことができると助言した。彼は、「自動翻訳、音声認識、テキスト音声変換などの技術に多言語を適用すべきだ」と主張した。実際、様々な言語をデジタルに変換する作業も行っている。オックスフォード大学出版社は、「オックスフォードグローバル言語」と呼ばれるプロジェクトを通じて、マレー語、ローマ語などの言語をデジタル辞書として出版している。使用人口の多い言語から始めて、いつかは少数言語も人工知能が認識できるように足掛かりを作ることが彼らの目標だ。


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com