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暮らしにくくなったイランの若者たち、「行こう、トルコに」

暮らしにくくなったイランの若者たち、「行こう、トルコに」

Posted September. 20, 2018 08:40,   

Updated September. 20, 2018 08:49

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「トルコで家を買う方法」

インターネットのサイトで、ペルシャ語(イランの公用語)でこのような検索ワードを入力すると、数十のページが出てくる。トルコで不動産を買ったり居住ビザを容易に受けることができる方法を紹介するサイトだ。長い間の経済制裁で国家経済が困難になると、海外への「脱出」を決心するイランの若者が増加しているのだ。

英国の中東専門ニュースサイト、ミドル・イースト・アイによると、イランで生まれ育ったタルシモ・ジャファリさんもその一人だ。ジャファリさんは、両親の反対を押し切ってトルコで新しい人生を送る準備をしている。先月再開された米国のイランに対する制裁が、ジャファリさんの計画を早めた。ジャファリさんは、「数日間で貯めた金の価値が半分近くに落ちた。もっと経済状況が悪くなる前にトルコに発つつもりだ」と話した。

イラン経済を支えなければならない若い世代の間で「脱イラン」の風が吹いている。目指す地は、国境を接するトルコ。移民カウンセラーのモーセン・アカルネジャドさんは、「米国が核合意を脱退し、経済不安が高まり始めたこの4ヵ月間で相談者が増加した」とし、「ほとんどがトルコを第2の故郷にしようとする人々」と話した。

イラン労働省の報告書によると、昨年のイランの失業者の数は約320万人。このうち高学歴者の失業率が42%にのぼる。大学教育まで終えた彼らが、イランで満足できる職を得ることができないため、海外移民に目を向けるケースが徐々に増えている。イラン議会は先月、失業率の急増および経済危機などを問題視して、労働相と経済相を解任した。

テヘランに本部を置くイラン-トルコ商工会議所のカミ会長は、「春からイランの人々がトルコで購入した住宅やアパートの数は1千余りにのぼる」とし、「大半が5万~20万ドル(約5600万~2億2千万ウォン)の間の価格帯に集中している」と話した。トルコに家を買ったイラン移民者の多くが、投資よりは居住を目的とし、富裕層よりも庶民層が多いという。

トルコも最近、米国との外交摩擦で深刻な経済危機を経験している。ドルに対するリラの価値は今年に入って40%近く落ち、先月の物価上昇率(17.90%)も過去最高値を更新した。トルコ政府に対する信頼まで失墜し、外国投資資本が離れているという報道も相次いでいる。

しかし、このような状況がイランの人々のトルコ行進を阻止することはできない。雇用や安定資産の投資だけが移民の原因ではないのだ。子供により良い教育の機会を与え、卒業後に欧州やカナダなど第2の移民をする「飛び石」としてトルコを活用するというイランの親が多い。アンカラ大学で歴史学科に在学中のイラン人のアリさんは、「イランは教育の質も良くなく、様々な宗教・政治的圧力がある」とし、「トルコでは自由を感じる」と話した。

英BBCなど外信によると、米国のイランに対する制裁後、イランの生活物価が大幅に上昇している。リヤルの価値も連日、過去最低を更新している。中東メディアは、11月に米国がイランに対する2次制裁を始めれば、イランの若者の「脱イラン」の流れがさらに強まると見ている。


徐東一 dong@donga.com