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エジプト、ミイラづくりの作業場を発見

Posted July. 16, 2018 09:42,   

Updated July. 16, 2018 09:42

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約2500年前、ミイラをつくっていた作業場がエジプトのギザで発見された。エジプトの考古省は14日、ギザ南部にあるメンフィス地域サッカラのネクロポリス(古代都市の大規模共同墓地)の地下30メートル付近で、ミイラづくりの作業場と多数のミイラ、遺物が発見されたと明らかにした。メンフィス地域には古代エジプト王国の最初の首都がある。

ミイラづくりの作業場では、古代エジプトのミイラづくりの秘密を解くことができる多くの遺物が発見された。35体のミイラ、封印された4つの石棺と、死者とともに埋葬された小さな人形の彫刻ウシャブティ、心臓を除く臓器を保管するためにつくられたカノプス壺なども発見された。ミイラづくりに使われた油の名前が記されている器や計量カップなども発見された。

発掘作業を率いたエジプトとドイツのテュービンゲン大学の共同研究チームは、ミイラづくりに使われた化学物質や具体的な作業手順が把握できる重要な遺物を発見したと興奮している。チーム長のラマダン・フセイン氏は、「私たちは今、ミイラづくりに使われた方法と材料の化学的情報が分かる『金鉱』の前に立っているのと同じ」と話した。彼らは、この場所が紀元前664年~紀元前404年に使われた作業場と推測している。

発掘チームは、1939年以降発見されていない古代祭祀場のマスクも発見した。横18.5センチ、縦23センチの大きさのマスクは、木で編まれた棺の中にミイラの顔にかぶせられた状態で発見された。銀でできており、マスクの目は黒の原石や黒曜石で装飾された。フセイン氏は、「古代エジプト王国の官僚の墓の大半は、戦争や盗掘で毀損された。このように保存状態のいいマスクは歴史的な発見だ」と強調した。マスクが発見された木棺は、古代エジプトの天空の神ヌトの絵が描かれていた。ヌトは、死と復活の神オシリスの母だ。

ミイラづくりの作業場は、泥のレンガと石灰岩でできており、四角形の形をしている。地下30メートル付近まで迷路のように入り組んだ進入路を下りて行くと、2つの大きな洗面台と石棺、ミイラが埋蔵された長方形の小さな部屋がある。発掘チームは、洗面台でミイラづくりの乾燥剤に使われた塩の混合物や包帯などを準備する作業が行われたと推測している。発掘チームは、封印された石棺を開けて内部を確認するなど、さらに作業を進める計画だ。

今回発見された遺物は、年末に開館するエジプト大博物館に展示される予定だ。エジプト政府はこれまで約10億ドル(約1兆800億ウォン)を博物館建設に投じた。大博物館の敷地は計49万平方メートルで、サッカーグラウンドの約70倍の面積だ。1922年に発掘された「少年ファラオ」のツタンカーメンの副葬品約500点をはじめ、エジプト王国時代がうかがえる遺物約4万点が展示される。

エジプト政府は、2011年の「アラブの春」以降低迷している観光産業の活性化のために努めている。年間約1400万人にのぼった外国人観客の数は、アラブの春の後、約500万人水準にまで落ちた。政治的不安、頻繁なテロなどが原因だった。今回の発見も、「観光産業復興のために多くの遺物を発見しなければならない」と、考古省が数年間、発掘作業に集中したことによる成果だ。


徐東一 dong@donga.com