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「人種差別者は黙れ!」 日本市民たちが嫌韓講演を阻止

「人種差別者は黙れ!」 日本市民たちが嫌韓講演を阻止

Posted June. 05, 2018 08:46,   

Updated June. 05, 2018 08:46

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「レイシスト(Racist)、帰れ!(人種差別主義者、帰れ)」

3日午後2時、日本神奈川県川崎市の教育文化会館前では出入口を埋めた600人余りが一斉にスローガンを叫んでいた。彼らは「人種差別は罪」「恥を知れ」などと書かれプラカードを持っていた。「外国人を差別しないでください」や「韓国人も尊重しましょう」など、ハングルで書かれたプラカードもあった。

同じ時間、この建物の4階では、日本の右翼団体「ヘイトスピーチを考える会」が講演会を開く予定だった。彼らのヘイトスピーチ(特定人種への嫌悪発言)は、そのほとんどが韓国人、在日韓国人などを狙っている。

有名右翼活動家、瀬戸弘幸(66)氏は数日前から、自分のインターネットホームページに講演会のニュースを伝えた。彼は、「日本人が韓国、北朝鮮を批判するのは憎悪ではない。(日本は)表現の自由が認められている国だ」と主張しながら、右翼に講演会に出席するよう促した。最近まで彼は、「韓国人は危険なので、入国を規制しなければならない」と嫌韓発言をはばからなかった。

●講演会を標榜した集会…阻止された日本右翼

この日は、日本でヘイトスピーチ抑制法が施行されてから2年目になる日だった。ヘイトスピーチに反対する市民や団体は、講演会開始の1時間前から出入口の前を囲んで抗議デモを行った。講演会が実際に行われるか、どのような内容を話すかを調べるために、記者が建物に入ろうとすると、一部の市民が記者を右翼団体の会員と勘違いして、揶揄をすることもあった。警察の助けを借りてようやく4階に上がると、瀬戸氏は講演会場の廊下でうろうろしながら関係者たちと話をしていた。窓の向こうの会場には、6、7人が座っていた。会場に入ろうとすると、彼は記者に対して、「(うちの集会に)よく来る方以外は、電子メールで申し込みを受けた」と言って食い止めた。講演が行われるのかを尋ねると、「行われるはずだ」としながらも「とりあえず帰ってほしい」と記者の背中を押した。

デモの参加者たちは、「講演会と偽って右翼集会を開き、ヘイトスピーチを助長することは違法だ」と、さらに激しく抗議した。午後3時になると、結局講演はキャンセルされた。建物の中にいた右翼団体の関係者らは、警察の保護を受けて建物の外に出た。デモ参加者たちは、「小細工などせずに家に帰れ」と揶揄を浴びせかけた。瀬戸氏は講演会のキャンセル後、自分のホームページに、「暴力によって講演会が中止となった。首謀者に責任を問いたい」と明らかにした。

デモに参加した高校教師のマエダ・サツキ氏は、「右翼団体に講演を許可した川崎市にも問題がある」と指摘した。川崎市は、日本の地方自治体の中でヘイトスピーチの事前規制を初めてまとめたところである。今回の講演会を規制しなかった理由について、川崎市の関係者は東亜(トンア)日報との電話インタビューで、「問題がないと内部で判断した」と釈明した。

●巧妙に広がる嫌韓

昨年12月、日本内閣府の世論調査(全国18歳以上の男女3000人を対象に実施)によると、ヘイトスピーチを知っている回答者(57.4%)のうち47.4%が「(ヘイトスピーチによって)、日本に対するイメージが悪くなる」と答えた。「ヘイトスピーチは表現の自由」との回答は17%にとどまった。

ヘイトスピーチ抑制法の施行後、嫌韓デモはやや減ったものの、完全に根絶されるまではさらに時間がかかると予想される。法に罰則規定がなく、補完策が急がれるという声が出ている。

街頭デモなどの直接的方法に加えて、最近では巧妙な方法で包装したヘイトスピーチコンテンツが出ている。韓流スターらの消息を伝える芸能雑誌の場合も、一見普通の韓流関連雑誌のように見えるが、その内容を見てみると「犯罪を犯した韓国芸能人のコレクション」など、否定的な面を浮き彫りにさせることもある。「反日発言芸能人のコレクション」を集めて紹介する記事も難なく見つけることができる。


川崎=キム・ボムソク特派員 bsism@donga.com