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拳を振り下ろした王岐山氏、絶対権力ナンバー2をアピール

拳を振り下ろした王岐山氏、絶対権力ナンバー2をアピール

Posted March. 19, 2018 07:41,   

Updated March. 19, 2018 07:41

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中国の国家副主席に華やかに返り咲いた習近平国家主席の右腕、王岐山・元共産党中央規律検査委員会書記(70)は17日、拳を握りながら新しい憲法に対する忠誠を誓う宣誓を続けた。王氏は、宣誓が終わるやいなや突然、拳を演壇に振り下ろした。

17日午前、北京人民大会堂で開かれた第13回全国人民代表大会(全人代)第6回会議で、国家主席に再選出された習氏だけでなく誰も憲法宣誓中にしない突発的な行動だった。人民大会堂2階の記者席から驚きの声が起こった。香港サウスチャイナ・モーニング・ポストは、米国の有名政治ドラマ「ハウス・オブ・カード」のファンだという王氏が、ドラマの主人公である冷血な政治家フランク・アンダーウッド(ケヴィン・スペイシー)が強さと決意を示す時にテーブルに拳を2回振り下ろすことを想起させたと強調した。

● 「ナンバー2」をアピール、王岐山氏

採決で王氏に対する反対票が1票(賛成2969票)出ると、会議場がざわついた。王氏は当選が確定した後、気にすることなく席を立って習氏に近付いた。2人は明るく笑って力強く握手した。王氏は公式ナンバー2の李克強首相には視線も向けずに席に戻った。これに先立ち、序列3位の栗戦書・常務委員が全人代常務委員長に全会一致で当選した後、習氏に続き李氏とも握手したのとは全く対照的だった。自分が事実上、ナンバー2であることを誇示する行動だった。

王氏が投票する時に起こった拍手は、習氏の時より多かった。王氏は、習氏ら最高指導部の常務委員7人に続き8番目に会議場に登場した。王氏の後に丁薛祥・中央弁公庁主任はかなり離れて続き、王氏が事実上「第8の常務委員」であることを証明した。

王氏のこのような行動は絶対権力を握った習氏とこれを後押しする王氏の「習―王体制」が本格的にスタートしたことを象徴的に知らしめたと評価されている。憲法で国家主席・副主席の任期が撤廃され、両氏の長期政権も可能になった。同紙は、「この強力な2人組(powerFul duo)にはいかなる制約もない」と論評した。

●習近平氏の人生の同志、外交指令塔になる模様

王氏は現在、一般の共産党員の身分だ。最高指導部ではなく国家副主席になった非常にまれなことが起こったのだ。王氏に対する習氏の信頼がどれほど大きいか端的に示す。

王氏は性格が強く、自分を表現するのが好きだという。習近平政権1期(2012~2017年)で反腐敗監査機関の中央規律委書記を務め、反腐敗司正を陣頭指揮し、習氏の権力強化の最大の功臣に浮上した。

習氏より5歳年上の王氏は、毛沢東時代の文化大革命で陝西省延安県に下放に遭った。同様に下放に遭った習氏が山西省梁家河村にいた時、1969年に王氏に会った。王氏は、習氏を自分の土窟に連れて行き、布団をかけて寝た。その後も、習氏は王氏の土窟を訪れ、本を借りたり人生相談もした。2人は半世紀、固く結ばれた人生の同志というわけだ。

王氏は09~12年、胡錦濤主席時代に副首相を務め、数回、米国の戦略-経済対話を率いた。その前には中央銀行である人民銀行副総裁を務めるなど、経済、通商、外交の分野で豊富な経験を積んだ。特に対米交渉力が認められた。このため、王氏が中央外事工作領導小組副組長(組長は習近平氏)の資格で習近平政権2期の外交指令塔を務め、貿易問題などの米中葛藤を解決する「消防士」として乗り出すという見方もある。香港と台湾の問題にも深く介入すると予想される。


尹完準 zeitung@donga.com