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ベトナム版積弊清算か、政敵除去か

Posted January. 24, 2018 08:30,   

Updated January. 24, 2018 08:31

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ベトナムの裁判所が、台頭するスターだった政治局員に13年の刑を言い渡した。ベトナム当局は「積弊清算」と主張するが、外信は積弊清算を掲げた政敵除去と見ている。

AP通信など外信によると、ハノイ人民裁判所は22日、ディン・ラ・タン元共産党政治局員兼ホーチミン市党書記(57)に懲役13年の刑を言い渡した。タン氏は、国営石油ガス公社(ペトロベトナム)会長に在職していた09~11年、経営不良と不正で莫大な損失を与えたとして有罪を宣告された。タン氏は会長を務めた後、交通部長官に就任し、昨年初め共産党全党大会で最高指導部(19人)の政治局員に任命された。また、ベトナム最大都市ホーチミンの党書記を兼職し、台頭するスターとして注目を浴びてきた。

しかし、2年前にグエン・フー・チョン共産党書記長が率いる共産党保守派が政治局を掌握した後、状況が急反転した。タン氏は昨年5月の共産党会議で、腐敗疑惑で更迭された。最高指導部の一員である現職の政治局員が更迭されたのは約20年ぶりで、共産党政権後2人目。

その後タン氏は、ペトロベトナムの子会社ペトロベトナム建設のチン・スアン・タイン前会長ら22人と共に裁判を受けた。ドイツに逃避したタイン氏は昨年7月、ベトナム情報員に逮捕されて送還され、22日に終身刑を言い渡された。ペトロベトナム関連の各種不正で起訴された22人のうち約10人に6年以上の懲役が宣告された。ベトナム共産党と政府は昨年から積弊清算を掲げ、腐敗関連者を厳重に処罰している。

しかし、BBCなど外信は、チョン書記長が腐敗清算を大義名分に政敵を粛清し、権力基盤の強化を狙っていると分析した。グエン・タン・ズン前首相は06年から10年間政権に就き、外国人投資の誘致拡大など対外開放による経済成長政策を主導したが、国営企業の放漫経営や不良・不正、腐敗拡散に責任があると批判も受けている。ズン前首相は、16年の全党大会で再任を狙うチョン書記長に対抗して書記長職に挑戦したが断念するなど、依然として政治的パワーは侮れない。このため今回の裁判をめぐって、チョン書記長がズン前首相の右腕と言えるタン氏を除去して警告を送ったという観測が流れている。

収監されたタン氏は、昨年5月の更迭直前、三星(サムソン)、ロッテ、ハンファ、CJなど韓国国内の大企業7社のオーナーとソウルで会い、慶尚北道(キョンサンプクト)を訪問するなど、韓国とも親交がある人物だ。



周成河 zsh75@donga.com