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2033年には10軒中3軒が空き家…老いていく日本社会の陰

2033年には10軒中3軒が空き家…老いていく日本社会の陰

Posted December. 26, 2017 09:30,   

Updated December. 26, 2017 09:36

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16日午前9時、千葉県西船橋の閑静な住宅街。20坪ほどの古い木造住宅の撤去作業が始まった。フォークレーンが片側の壁を壊し始めると、1人の作業員が準備していたホースで水をかけて埃が立たないようにした。子供たちはすでに独立し、暮らしていた老夫婦も亡くなって10年間空き家になっていた。

工事期間は12日から27日まで、費用は200万円ほどかかる。近隣住民の川田聡さん(85)は、「数年前から周辺の住民たちが『火事でも起こったらどうするのか』と問題視してきた。町内のあちこちにこのような空き家がある」と話した。

現場作業を指揮するユタカ産業の曽我部裕一主任は、「撤去の依頼が殺到し、土曜日も作業している。家は人が住まなければダメになる。人口減少はこのようなところにも暗い影を落とす」と話した。

急増する「空き家」が日本で社会問題になっている。日本総務省が5年ごとに実施する実態調査によると、2013年の空き家の数は約820万軒で全世帯数の13.5%を占めた。ベビーブーム世代(1947~1949年生まれ)が75歳以上になる2025年頃には相続急増によりさらに増える見通しだ。富士通総合研究所は2033年には空き家が全住宅の30%の2015万軒に達すると見ている。

空き家が増える理由は様々だ。人口減少や核家族化、交通が便利な都心や新築住宅を好む若年層のライフスタイルも影響を及ぼした。経済成長期、郊外にマイホームを建ててマイカーを利用した親世代とは違い、1990年代のバブル崩壊を経験した若者世代は処理に費用がかかる不動産をあえて持とうとは思わない。売りに出しても売れない住宅と土地が増え、不動産は「負動産」と呼ばれる困った存在になった。

持ち主のない土地も増えている。6月「所有者不明土地問題研究会」によると、日本の全体面積の9分の1にのぼる土地が名義人の死亡後も未登記状態であるか、名義人と連絡が途絶えている。

 

商店街や住宅街に点在する空き家は、まちの美観を損ない活気を奪う。防犯問題だけでなく火災や地震などの震災時の対策で隣人に不安を与える。日本政府は2015年、「空き家対策特別措置法」を施行し、崩壊の恐れがある「特定空き家」約6400軒に対して持ち主が撤去しない場合、行政機関が強制撤去した後、撤去費を請求している。

地域単位では、使える空き家を活用して民宿や保育施設、地域住民の集いの場にする活動が行われている。2014年、東京都内で唯一「2040年消滅可能性都市」と診断された豊島区が代表的なケースだ。地方自治体と市民団体が若者を呼び込み、まちの活性化に取り組んだ。

昨年3月にオープンしたカフェ兼民宿「シーナと一平」は、そのような努力の末に誕生した。空き家だったとんかつ店を市民が出資したまちづくり会社「シーナタウン」が1200万円を投じてリノベーションし、2年6ヵ月間、無償で運営している。

15日に訪れたカフェは、昼の時間は赤ん坊連れの若い母親の憩いの場になっていた。7ヵ月の赤ん坊を連れた宮内ヨウコさんは、「畳なので子供を寝かせて気楽にお茶を飲むことができる。若い母親の間でうわさになっている」と話した。とんかつ店だった時からこの店の前をよく通ったというマスダ・ナナさんは、「放置された空き家がいつの間にか素敵な空間に変身して驚いた。まちの雰囲気も良くなった」と話した。

カフェの2階に設けられた民宿は、低価格で日本の庶民生活を経験したい外国人の間でうわさになり、昨年の宿泊客は900人を上回った。彼らは日本式の小さな畳部屋に布団を敷き、共用トイレを使い、銭湯に行く。

この事業を主導したシーナタウン代表の日神山晃一さんは、「自分たちのまちを自分たちで活性化させる努力の一つ」とし、「シーナタウンの長所は、東京の普通の人、庶民の日常を随所に味わうことができるという点にある」と強調した。このような努力のおかげか。豊島区は昨年から人口が再び増加し、「消滅可能性都市」から脱することができた。



徐永娥 sya@donga.com