ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)と米コロンビア大学ジャーナリズムスクールを卒業したウォールさんは、取材のために太平洋にある核廃棄物処理場はもとより北朝鮮にも潜入するほど冒険心が強かった。しかし、奥地でも特段問題がなかったウォールさんが死亡した場所は、ほかでもなく幼年時代を送ったコペンハーゲンの馴染みのある町からわずか数キロ離れた海だった。
ウォールさんは2か月前、取材のためにデンマークの発明家ピーター・マドセン被告(46)が作った潜水艦「UC3ノーチラス号」に乗艦した後、潜水艦は沈没した。戻ったのはマドセン被告だけだった。マドセン被告は、初めはウォールさんをコペンハーゲンで降ろしたと言ったが、すぐウォールさんが潜水艦の中で頭をぶつけて死亡し、自分は罪悪感で潜水艦を沈没させたと発言を変えた。
しかし、7日、警察によると、ウォールさんの頭部と両脚は海底にあったカバンの中から発見された。カバンには重い鉄パイプが入れられており、マドセン被告の証言とは違って、頭部には負傷した形跡が発見されなかった。警察は今月初め、マドセン被告のコンピュータから損壊された女性の死体写真が多数発見されたことを明らかにした。明確な死因が明らかになっていない中、マドセン被告は殺害容疑を否認している。