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王毅外相の発言キーワードから見た中国のTHAADに対する内心

王毅外相の発言キーワードから見た中国のTHAADに対する内心

Posted August. 08, 2017 09:26,   

Updated August. 08, 2017 09:58

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中国の王毅外相は6日(現地時間)、米ニューヨークで国連安全保障理事会の北朝鮮に対する新たな制裁決議が通過した直後、フィリピン・マニラでASEAN地域フォーラム(ARF)を機に開かれた韓中、中朝、米中、中露の連鎖会談で、注目される発言をした。

北朝鮮の核・ミサイル問題がARFの外交舞台で争点に浮上したにもかかわらず、攻撃的な発言で高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)配備計画を問題視して韓国に迫った。北朝鮮核問題の解決に向けた協力は後方に押された。米国の圧力の末、対北制裁に参加した中国まで核問題で「コリア・パッシング(韓国素通り)」で行こうとするのではないか懸念される。

中国外交部が6日夜に公開した韓中外相会談の内容は、ほぼTHAADに割かれた。王外相は会談の冒頭発言で、「THAADが中韓関係の改善に冷水を浴びせた」と火ぶたを切った後、終始、「中韓関係の発展の障害物を取り除かなければならない」と迫った。「北朝鮮が、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したが、なぜTHAADを配備するのか。THAADがICBMを防げるのか。答えは明らかだ。不可能だ」と攻撃的な発言もはばからなかった。

 

北朝鮮の核・ミサイル問題は、会談の冒頭発言では言及されなかった。中国外交部が公開した会談内容にも北朝鮮核問題は最後に登場する。「(米国と)緊張局面を作ることは自制しなければならない」という戒めの発言だった。

米国の「コリア・パッシング」が憂慮されている中、中国まで韓国を核問題解決のパートナーと認めないのではないか懸念される。中国共産党機関紙「人民日報」系の「環球時報」は社説で、「韓国が、北朝鮮の核問題では建設的な役割を果たさずにTHAADを持ち込む、軽率で愚かな非建設的行動の縮小版を見せた」と非難した。王外相が、「(対北)制裁で代価を払う主体は中国」と述べたのも、不満の吐露と見られる。

一方、中国外交部が公開した米中外相会談の内容には、米軍の韓国へのTHAAD配備問題は全く扱われなかった。むしろ王外相は、米中関係が最近「前向きな相互作用」を見せたと評価し、「中国がトランプ大統領の年内の訪中を準備している」と明らかにした。これは今月、韓中国交正常化25周年に合わせて進めようとしていた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪中が、「THAAD問題に進展がなければならない」という中国側の立場で無期限延期になったことと比較される。韓国にだけ高圧的な態度に出る中国の二律背反的な態度は、THAAD配備が米国のミサイル防衛システム(MD)の編入であり、中国の安保利益を脅かすと主張してきたこれまでの論理とも合わないという批判を受けている。



尹完準 zeitung@donga.com