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「八道トシラク」、ロシアで45億個も売れた

「八道トシラク」、ロシアで45億個も売れた

Posted July. 03, 2017 09:41,   

Updated July. 03, 2017 09:48

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「トシラク」輸出の一等功臣はロシアである。海外での累積販売数47億個のうち、45億個がロシアと近隣の独立国家共同体(CIS)で売れた。国内消費者らには思い出のラーメンとなっている「トシラク」が、ロシアでは「国民のラーメン」となっている。ライバルである日本やベトナム製品を抜いて、市場シェア60%を占めている。

トシラクがロシアに渡ったのは1990年代の初め、釜山(プサン)港の包み商人たちによってのことだった。釜山港とロシア・ウラジオストクを行き来した商船の船員と包み商人の間で四角な容器のヌードル「トシラク」は人気が高かった。円形の他のカップラーメンと違って、長方形のトシラクは、既存のロシアの船員たちが使っていた携帯スープ容器と似ていた。揺れる船や汽車の中で棚に置いて食べるにも楽だった。暖かくて辛い味はロシアの伝統スープと似ていた。

船員と包み商人が船に乗ってウラジオストクにまで持ち込んできたトシラクは、徐々に都市全体に広がっていった。ロシアでの需要が増えることに気付いた八道(パルド)は1997年、ウラジオストクに小さな現地事務所を開き、職員2人を派遣した。同年末、トシラクのロシア現地での販売量が7倍に増えた。

事務所開設から1年後だった1998年、ロシアは深刻な財政難にモラトリアム(支払い猶予)を宣言した。当時、ロシアに進出していた国内外メーカーが相次いで撤退した。しかし、まだ投資の初期だったので埋没費用が少なかった八道は残留を決めた。八道の関係者は、「むしろ当時、ウラジオストクを超えてシベリアやウラルの方にまでマーケティングを拡大したことで、空いていた市場を急速に手にすることができた」と語った。

ロシアの消費者は八道を、「義理を守った企業」として記憶している。1999年、八道は、成長に支えられモスクワに現地事務所を追加で開いた。2005年と2010年、2つの現地生産工場を建設した。現在は「八道」ではなく、「トシラク(DOSHIRAK)」という法人名の現地会社は、計1000人の従業員が勤務している。

トシラクの長寿の秘訣は、絶え間ない現地化だった。寒さのためにカロリーの高いマヨネーズを主なソースとして活用するロシア人たちは、韓国の消費者らがラーメンに卵を入れるように、トシラクにマヨネーズをかけて食べた。これを受け、八道は2012年、マヨネーズソースを別添した「トシラクプラス」を発売した。

現地で最も人気のある味わいの一つは、「チキンの味」である。韓国にはないが、ロシアの消費者を狙って、辛さを抑えたチキンの味、キノコの味、エビの味などが現地で人気を得ている。箸の文化のないロシア消費者のために、2007年2月からは全製品にフォークを入れて発売している。

トシラクのロシアでの売上高は、2010年以降毎年10%以上も伸びている。2005年、年間売上高7000万ドルを記録したトシラクは、今年は2億ドルの売上高達成を控えている。2014年、ラーメン業界では初めて、ロシア国家商業協会が主管する「今年の製品賞」受賞したこともある。

八道は現在、30カ国以上にトシラクを輸出している。昨年は30周年を迎え、国内では袋ヌードル製品を発売し、前年比135%の売上高を記録した。八道の関係者は、「ロシア市場で成功した現地化戦略と事業領域拡大をもとに、アジア、欧州地域へと市場を広げていきたい」と話した。



郭道英 now@donga.com