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中国に行っても「社会的価値」を叫んだ崔泰源会長

中国に行っても「社会的価値」を叫んだ崔泰源会長

Posted May. 29, 2017 09:04,   

Updated May. 29, 2017 09:06

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「SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が中国勉強を改めてやっている」

SKグループの関係者の言葉だ。崔会長の最近の悩みが何なのかを尋ねた質問への答えだった。中国ビジネスへの新しいアプローチが必要だというのが崔会長の認識である。

崔会長は2006年、中国を第2の内需市場にしようという「チャイナインサイダー(China Insider)」戦略を公式化した。その後10数年間、SKグループは事実上、中国事業のにすべてをかけてきた。しかし、政府の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配置決定という悪材料に出会った後、SKグループの中国での事業は、直接間接的に支障をきたしながら最も困難な時期を送っている。

この関係者は、「24日の中国上海フォーラムに出席するため、中国出張の途についた崔会長は、中国事業の正常化のための突破口を見つけるだけでなく、その方法と時期、手順など、いわば『中国アプローチ』についての考えをまとめることに出張の目的を置くことになるだろう」と語った。

先月、4ヵ月間の出国禁止措置から解放された崔会長が中国を訪れたのは今回が初めてだ。崔会長は、SKハイニックス、日本東芝のメモリ買収合戦の状況を確認するために、先月24日、2泊3日の日程で日本に行ってきた。

●崔会長、「中国へのさまざまなアプローチについて悩むべき」

崔会長は、中国に到着直後、北京に向かった。SKグループの中国持株会社「SKチャイナ」のジェリー・ウ代表に直接会って、THAAD配置などの対外悪材料が中国事業に及ぼした影響とその解決策について議論した。

SKグループは4月1日、SKチャイナのトップをウ代表に入れ替えた。これも難航している中国事業の突破口を探し、変化を与えるための選択だった。ウ代表は、中国国家発展改革委員会で海外通商分野を担当後、2009年から中国ゴールドマン・サックスで働いた地元投資銀行(IB)業界の専門家だ。不動産、新エネルギー、レンタカー分野で事業を進めているSKチャイナの新事業発掘と投資に、ウ代表の政界官界およびIB関連人脈が重要な役割を果たすものと見られる。

現在、SKグループの主要関連会社の中国事業は難航している。SKイノベーションは昨年4月、「年内に中国内でのバッテリー製造工場設立を発表する」としたが、無期限延期となった。また、英ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)が保有している中国上海セコの持分(50%)を取得するために努力したが、結局失敗に終わった。SKプラネットは、中国民生投資有限公司から1兆3000億ウォン規模の投資を誘致しようとしたが、THAAD配置の発表後、白紙化された。

崔会長は2月、ソウル広津区(クァンジング)にあるウォーカーヒルホテルで開かれた役員会で、「中国事業で困難は多いが、それより怖いのは(中国で)忘れ去られることだ。明確な答えがあるわけではないが、引き続き人を送り、ビジネスだけでなく、文化、学問交流などを続けている」と語った。中長期的観点から中国市場の重要性は変わらないから、根気よく、様々なアプローチについて悩んでもらいたいという意味だった。

●企業の社会的価値を強調

崔会長は、27日から上海復旦大学で開かれた「2017上海フォーラム」にも出席した。この席で崔会長は、企業の財務的価値(Financial Value)だけでなく、社会的価値(Social Value)の創出のためにも努力すべきだと強調した。先月20日、ソウル延世(ヨンセ)大学で開かれた「社会性とインセンティブアワード」で言及した「企業の社会的価値」を改めて強調しながら、SKグループは社会とともに成長する企業になりたいという目標を明らかにしたことになる。

崔会長は、「欧米はもとより、アジア主要諸国が過去のような高速成長を続けることは難しい。今は高度成長期に見過ごしてきた様々な問題を癒すことが重要になった」と語った。また崔会長は、「企業の関心は今、財務的問題から社会問題への重心を移しなければならず、SKグループは、雇用と投資を増やして、ビジネスパートナーと共栄する方法についていくつか実験をしている」と述べた。

SKグループが設立した奨学財団「韓国高等教育財団」が2005年から復旦大学と一緒に主催している上海フォーラムは、今年で12回目を迎えている。今年は、「アジアと世界:新しいエンジン、新しい構造、新しい秩序」をテーマに開かれた。崔会長は、韓国高等教育財団理事長の資格で、毎年このフォーラムに出席している。



徐東一 dong@donga.com