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ポスコ、「未来産業のコメ」リチウムを国内で初生産

ポスコ、「未来産業のコメ」リチウムを国内で初生産

Posted February. 08, 2017 08:31,   

Updated February. 08, 2017 08:32

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電気自動車市場の成長などを受け、リチウムイオン2次電池の需要が爆発的に増えるものとみられる中、ポスコが国内初にリチウム生産工場の運転を開始した。今年、非鉄鋼分野の事業強化を前面に打ち出し、未来産業用素材開発に拍車をかけているポスコの変身を巡って、「未来産業のコメ」の生産に乗り出したという評価が出ている。

ポスコは7日、全羅南道光陽(チョンラナムド・クァンヤン)製鉄所内の8500平方メートルの敷地に建設したリチウム生産工場(PosLX)で、權五俊(クォン・オジュン)会長などが出席した中、工場の完成式典を行った。独自の技術開発に取り掛かってから7年ぶりに、年間2500トン規模の炭酸リチウムを生産できる工場の稼動に入ったのだ。炭酸リチウム2500トンは、ノートパソコンのバッテリー7000万個を生産できる量と言える。

ポスコ側は、生産に12〜18ヶ月間がかかる従来の自然蒸発式リチウム抽出法と違って、短くは8時間、長くても1ヵ月以内に純度の高いリチウムを抽出できる技術を確保したと説明した。リチウム回収率も同様に、従来の30〜40%から80%以上へと上昇した。生産された炭酸リチウムは、2次電池を作るLG化学や三星(サムスン)SDI、2次電池の陽極材を作るポスコESMに供給する。

韓国は世界有数の2次電池生産国であるが、主原料である炭酸リチウムは全量輸入に頼ってきた。しかし、ポスコが炭酸リチウム生産に乗り出したことで、国内メーカー各社N原料需給の心配は一層軽減されることになった。完成式典にLG化学の李雄範(イ・ウンボム)社長や三星SDIの趙南成(チョ・ナムソン)社長が出席したのも、このような理由からだ。

2次電池や電気自動車専門調査機関「SNEリサーチ」は最近、2020年に世界のリチウムイオン2次電池の市場は、昨年に比べ5.5倍(容量基準)も成長するだろうという予測を発表したことがある。ポスコは今後、塩分含有量の高い湖である塩湖を確保して、炭酸リチウムの原料であるリン酸リチウムも独自に生産し、国内外炭酸リチウムの生産量を4万トンにまで拡大する計画だ。ポスコはまた、今年4000億ウォンを追加投資して、エネルギー素材やマグネシウム、チタンなどの軽量素材の研究開発に集中すると明らかにした。

これと関連して専門家らは、1973年6月9日に浦項(ポハン)製鉄所の第1高炉で溶銑を作り出してから、「産業のコメ」と言われた鉄鋼製品を作ってきたポスコが、今や、「未来産業のコメ」とも言える素材生産に領域を拡大していることに注目している。今後、生産が大幅に増える電気自動車やロボット、ドローンなどはすべて、高性能バッテリーや軽量構造材料を必要とすることに焦点を合わせて変身しているという。

材料研究所の李廷煥(イ・ジョンファン)副所長は、「ポスコが、新成長エンジンとして発掘しているリチウムやマグネシウムなどは、全て第4次産業革命により、需要が大幅に拡大している素材だ」としたうえで、「完成品の組立や加工技術が世界的に平準化されている状況の中、最先端のオリジナル素材の開発はますますその重要性が高まっている」と説明した。

このような意味を念頭に置いたかのように、この日の完成式典で権会長は最初に生産された炭酸リチウムを、手袋をはめた両手でいっぱい持ち上げるなどした。権会長は、「数々の制約と挫折にもかかわらず、今日の結実を結ぶことになったのは、未来成長事業へのビジョンや情熱がはっきりしていたためだ」と語り、「差別化された技術競争力をもって未来の新成長事業を育成していきたい」と明らかにした。



金道炯 dodo@donga.com