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「会話型AI秘書」搭載のギャラクシー8、李在鎔副会長が陣頭指揮

「会話型AI秘書」搭載のギャラクシー8、李在鎔副会長が陣頭指揮

Posted November. 07, 2016 07:17,   

Updated November. 07, 2016 10:39

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三星(サムスン)電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は4日、ソウル瑞草区(ソチョグ)瑞草通りにある三星電子の瑞草社屋で、先月買収した人工知能(AI)フラットフォーム開発メーカー「ヴィブラボ」のダグ・キットラウス最高経営者(CEO)などに会って、「ギャラクシーS8」に搭載するAI技術の方向性について意見を交換した。

キットラウスCEOは、アップルの「アイフォーン」音声秘書機能サービス「シリ(Siri)」の開発者だ。故スティーブ・ジョブス・アップル創業主からラブコールを受け、アップルで働いたが、4年後である2011年、重要開発者らと一緒にアップルを離れて、その翌年、ヴィブラボを起業した。その後、外部サービス提供者らも自由に参加できる次世代開放型AIフラットフォームを開発した。

●方向性が明らかになる「李在鎔号」

同日の面談には李副会長やキットラウスCEOのほか、ヴィブラボのアダム・チェイヤー最高技術責任者(CTO)、三星電子無線事業部のイ・インチョン開発1室長(副社長)も同席した。三星電子は来年の年明けに披露するスマートフォン次期作「ギャラクシーS8」を皮切りに、主要製品にビヴラボのAIフラットフォームを適用することにした。

李副会長は、「これに先立って買収した『ループペイ』や『スマートシングス』を通じて、シナジーを出したように、ヴィブラボAIソリューションを通じて、より大きな楽しみや利便さを提供しなければならない」と言い、「ヴィブラボのソリューションをスマートフォンや家電製品、半導体など、三星電子の多様な製品と統合させて、モノのインターネット(IoT)時代の技術リーダーシップをさらに強化していかなければならないだろう」と呼びかけた。

李副会長が買収した会社経営陣との事業議論の内容を公に公開したのは今回が初めてだ。財界ではこれまで、「隠居経営」を手がけてきた李副会長が先月、三星電子の登記取締役に選任後、本格的に経営前面に乗り出して、自分の色を表そうとしていると受け止めている。

●言葉通りに実現する世界

同日午後に続いた記者懇談会で、ヴィブラボ経営陣は、AIフラットフォームの大きな方向性について、「これまでのように人間がデバイスに合わせるのではなく、デバイスが人間に合わせる形だ」と説明した。彼らは、「実際、人間が考えて、人間が世間と疎通するのと似たサービスの開発のためには、外部開発者らも自由に参加する開放型生態系を作るのが優先だ」と強調した。

例えば、今まではスマートフォンでピザやコーヒーの注文をするためには、関連会社のアプリケーション(アプリ=応用プログラム)をダウンロードしなければならない。しかし、ヴィブラボフラットフォームが適用されれば、もはやこのような過程を経ず、スマートフォンの中の「AI秘書」に直接言葉で注文すればいい。食べ物出前サービスを提供する業者が、フラットフォームでサービスを提供する方式だ。フラットフォームに参加する外部サービス開発者が多くなるほど、AI秘書が手掛ける仕事は増えることになる。

スマートフォンだけでなく、冷蔵庫やテレビに向かって、「ぺパロイピザ一つ注文してね」と語れば、同様にAI秘書が自ら注文してくれる。同日、ヴィブラボが「本当に数々の企業やコンテンツ提供者らの手を振り切って、三星電子と手を組んだ」と明らかにした理由も、同様に、三星電子はスマートフォンだけでなく、冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの家電製品のフルラインナップを持つ世界最大手電子メーカーであるからだ。

これまで、「S-ボイス」などのスマートフォン音声認識サービスを運営してきた三星電子は、この3、4年間、会話型音声認識技術に積極的に投資してきた。李副社長は、「これまでユーザーらの音声データが多く蓄積されたおかげで、現在、『人間並み(human-level)』の精度を確保した」と言い、「ただ、さらに多様な言語で、単純文章ではなく会話の流れまでを聞き取る段階へと発展させるために努力している」と付け加えた。



金志炫 jhk85@donga.com