Go to contents

電気車対水素車…未来エコカーの主導権は誰が持つか

電気車対水素車…未来エコカーの主導権は誰が持つか

Posted May. 07, 2016 07:17,   

Updated May. 07, 2016 07:37

한국어

2021年から欧州連合(EU)で自動車を販売するためには、自動車1台の二酸化炭素(CO2)の排出量を1キロ当たり95グラム以下に下げなければならない。今は1キロ当たり130グラムぐらいだ。排出量を合わせなくても販売はできるが、1キロ当たり1グラムを超過時は、1台当たり95ユーロ(約12万6350ウォン)の罰金が科せられる。米カリフォルニア州では、この時から全体販売台数の8%を排出ガスが全く出ない電気車(EV)や水素燃料電池(FCEV)で占めなければならない。これを違反すれば巨額の罰金を払わせたり、義務を超過達成したほかの自動車メーカーから排出ガスの使用権を購入しなければならない。

昨年12月、国連気候変動枠組み条約締約国会議で採択された「パリ協定」は、ガソリンやディーゼルなどの内燃機関車の立つ瀬が年々狭くならざるを得ないことを予告している。2020年から適用されるパリ協約に合わせて、世界各国が温室効果ガス削減を強化し、この時を機に、エコカー市場は急激に膨らむだろうと専門家たちは見ている。

未来エコカーの代表走者の座を巡ってしのぎを削っているのが、電気車と水素車だ。二つの車種共に排出ガスが全く出ないという強みを打ち出している。

これまでは、電気車と水素燃料電池車より価格が安く、利用しやすいハイブリッド車がエコカー市場を主導してきたが、排出規制が強化される2021年からは、CO2排出ゼロの電気車と水素燃料電池車への切り替えに拍車がかかるだろうという予測が多い。

グローバル会計・コンサルティング会社であるKPMGは、2020年に全体エンジンの4.6%(510万台)が電気駆動方式に切り替えられるだろうと見込んでおり、ブルームバーグのニューエネルギーファイナンスは2040年になれば、電気車の販売台数はグローバル新車販売台数の35%を占めるだろうと見込んでいる。実際、韓国自動車産業研究所によると、昨年、ハイブリッドカーのグローバル販売台数は146万3000台と、前年比11.6%減少した。ハイブリッドカーの販売台数が減ったのは、4年ぶりのことだ。

今は、水素燃料電池車より電池車の方がさらに注目を集めているが、水素燃料電池車を「究極のエコカー」とみている専門家も少なくない。水素燃料電池車は、燃料自体が無公害なので、電気車よりさらに環境にやさしいという評価を受けている。電気車は、火力エネルギーで生産する電気をエネルギー源としているからだ。水素燃料電池車は、従来のガススタンドのインフラを電気スタンドとして使うことができるので、初期のインフラ投資費用が多くかかる電気車より経済的だという声もある。BMWも最近、韓国記者団を招いて開いた懇談会で、水素燃料電池車の開発を拡大する計画を発表した。BMWグループのマティアス・クリーツ燃料電池車及びパワートレイン部門副社長は、「2020年以降、技術的に成熟した水素燃料電池車を披露したい」と話した。

しかし現在、水素燃料電池車より電気車の販売割合が高く、バッテリーやモーターなどの電気車から派生する産業後方効果が大きいだけに、今後、電気車中心にエコカーが成長するだろうという見方も少なくない。現在、水素燃料電池車が電池車より3倍ほど高いのも、水素燃料電池車の大衆化のネックとなっている。米電気車メーカーであるテスラのイーロン・マスク最高経営者(CEO)は、「水素燃料電池車はエコカーとしては勝ち目がない」と言い切ったことがある。水素を生産するためには大量のエネルギーが必要であり、水素ガスの貯蔵や運搬が難しいという理由からだ。



신수정기자 シン・スジョン記者 crystal@donga.com