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空になった工場、残された人々…希望はどこにあるのか

空になった工場、残された人々…希望はどこにあるのか

Posted March. 16, 2019 08:05,   

Updated March. 16, 2019 08:05

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それでも生き続けなければならない。しかし幸せも続くだろうか。

ジェーンズビル。米ウィスコンシン州にある小さな都市。人口はわずか6万人を少し超える。しかし、市民たちには誇りがあふれている。どこでもそうであるように、大小の問題はある。それでも安定している。豊かではなくても潤っている。大半は快適な老後を、あるいは素晴らしい未来を夢見た。

ところが、嵐が吹き荒れた。その兆しはかねてからあった。2008年の金融危機を控え、米自動車産業は空振りの連続だった。ところが、よりによってジェーンズビル経済の根幹は、1923年に最初の自動車を生産したGM工場だった。全盛期には7000人、当時も3000人以上が携わっているその工場が閉鎖された。

最初は絶望より楽観の方が多かった。一時的中止だとおもっていた。それでなくても、まさか飢え死にすることはだろうと思った。しかし、不動産は暴落し、製造業の労働者が行くところはあまりなかった。政府と地域社会がそれなりに苦心した。しかし、補助金や助成金は、突然空になった給料を埋めることができなかった。嵐が過ぎ去ったから終わりではなかった。日差しのない暗雲の下で、濡れた服はますます重くなった。何人かにはか細い日光を許したまま。

「ジェーンズビル…」は、本当に慎重な本である。「ヒルビリー・エレジー」(フルム出版)の著者ヴァンスは、「加工されていない美しい物語」と絶賛したが、何を言っているのかは分かるが、とてもそうは呼べない。淡々と打ち込まれた文字の中に、これほど物悲しさが溢れているのに、どうして美しいと呼べるだろうか。本から手を離すことができなかったという決まりきった表現以外は、ほかの表現が思い浮かばなかった。

もちろん、米紙ワシントンポストの記者である著者は、賞賛されて当然である。2008年にGM工場が閉鎖された後、2013年までジェーンズビルが変わっていく過程を、すごい筆力で重ね重ね積み上げた。何よりも、そこで生きる人たちに集中したが、これは想像以上だ。実は基盤産業が崩壊した街の貧しさは、かなり見慣れたテーマだ。ジェーンズビルは知らなくても、巨済(コジェ)と群山(クンサン)は知っているから。しかし、この本は、私たちが持っている情報がどれほど破片的で表面的であるかを、細かく噛んくれる。胸を鳴らした共鳴をあえて表わすことすら恥ずかしいように。

何よりも災害が襲った後、これに対処する姿勢は本当に意味深長だ。絶望を叫ぶ向こうでは、希望を歌ったりする。そのような意味で、著者がスポットライトを当てた人々は、皆「再び種を植える」人たちだった。就業教育を受け、暮らしや睡眠を切り詰め、戦いまくった。経済的に余裕のある人たちも顔をそむけなかった。寄付し、支援し、そのそばを守った。それぞれの方法に同意するかしまいか、自分たちの街を守ろうと努力した。しかし、本質はまさにその結果にあった。すべての種が花を咲かせるのではなかった。

「住民たちは、時間の経過に応じて一部は経済的状況がよくなり、一部は悲しみ、一部はどうにか生きていく。…最近行った調査の結果を見れば、失業率は4%を下回っている。21世紀が始まって以来、最も低い失業率である。…良いニュースであることに間違いない。しかし、現在仕事を持つすべての住民が、快適な生活を営むのに十分なお金を稼いでいるわけではない。住民の実質賃金は、目に見えて減少した」

雨が降らない土地は、砂漠になりやすい。しかし、豪雨に耐える傘は誰にでも与えられるわけではない。さらに、もっと大きな痛みは、雨は再び降る。


丁陽煥 ray@donga.com