Go to contents

ポスコ、アルゼンチンのリチウム湖を3100億で購入

ポスコ、アルゼンチンのリチウム湖を3100億で購入

Posted August. 28, 2018 08:16,   

Updated August. 28, 2018 08:16

한국어

リチウムイオン電池(二次電池)を「未来の成長エンジン」に定めたポスコが、アルゼンチンのリチウム湖を確保した。ポスコは最近、リチウムの他、鉄鉱石などを買い入れるなど、原材料確保に全力を挙げている。今後、「資源を握った者が市場を主導する」という判断によるものだ。

27日(現地時間)、ポスコは豪州のパースで、資源開発企業ギャラクシーリソースとリチウム塩湖の鉱物採掘権を巡る売買契約を交わした。1973年に設立されたギャラクシーリソースは、豪州、カナダ、アルゼンチンでリチウム探査と開発事業を手掛けている。今回の契約でポスコが確保した資源地は、アルゼンチンの北西部サラール・デル・オームブレ・ムエルト湖の北側地域だ★。面積は1万7500ヘクタールで、ソウルの約3分の1の大きさだ。

ポスコはこの湖で今後20年間、毎年約2万5000トンのリチウムを取り出すことができる。リチウムは、リチウムイオン電池の主な材料であり、リチウム2万5000トンで高性能電気自動車約55万台のリチウムイオン電池を作ることができる。

リチウムイオン電池の主な消費先は電気自動車だ。世界的に電気自動車が爆発的に増えると予想されるだけに、最近のグローバル企業各社は「リチウム確保戦争」を繰り広げている。リチウムは主に鉱山に鉱物の形で埋蔵されていたり、塩湖に塩化リチウムの状態で溶け込んでいる。特にボリビア、チリ、アルゼンチンの3国に、世界のリチウム埋蔵量の80%があると推定される。ポスコは今回の塩湖を確保するために、2億8000万ドル(約3100億ウォン)を投資した。

これに先立って今年3月、ポスコは三星(サムスン)SDIとコンソーシアムを組んで、チリでリチウム生産プロジェクトを獲得した。2月は、豪州のピルバラミネラルズと年間3万トン規模のリチウム精鉱を巡る長期期購入契約を交わした。系列会社ポスコケムテック、ポスコESMでリチウムイオン電池用陽極(プラス極)材と陰極( マイナス極)材を生産している。

ポスコは鉄鉱石の確保にも力を入れている。ポスコは1981年から、カナダ、豪州、インド、南アフリカ、ニューカレドニア、ブラジルなど世界各地の鉄鉱石、クロム、マンガン、ニッケル、石炭産地を確保してきた。ポスコは「鉄の時代」が再到来すると判断している。かつて様々な合成素材と高度なプラスチックの開発に押されて、鉄の地位が脅かされたが、未来は寧ろ鉄の使い道がさらに増えるという判断だ。

最近、各国は環境汚染の懸念のためにプラスチックの生産と使用を規制する傾向にある。高級素材が使われる自動車の車体も、重量を減らす「軽量化」競争のために、一時はマグネシウムの使用が増えたが、最近は再び鉄に復帰している。安全性のためだ。マグネシウムは軽いが、鉄ほど堅くなく、加工も鉄より難しい。ポスコの関係者は、「結局、世界的に鉄の消費は再び増えるしかない」と話した。

確保された資源を有効に活用する技術の開発にも積極的に乗り出している。ポスコは世界で唯一、リチウムを3つの方法で抽出できる企業だ。△塩湖に溶けている炭酸リチウムから抽出、△鉱山での採掘と加工されたリチウム精鉱から抽出、△捨てられた廃二次電池から抽出など。ポスコは元々塩湖を考慮してビジネスに参入したが、塩湖の確保が容易ではなく、他の代替技術の開発に乗り出したのがかえって競争力を備える背景となった。今回確保したアルゼンチンの塩湖では、2021年からリチウムを本格的に生産する計画だ。


李恩澤 nabi@donga.com