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BMW火災のミステリー

Posted August. 01, 2018 09:38,   

Updated August. 01, 2018 09:38

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走行中のBMW520dの車両から相次いで火が出ているが、正確な原因を把握できず、消費者たちが不安に震えている。BMWコリアと国土交通部(国土部)が指摘した事故原因について、一部の専門家が「納得できない」と反論しており、発火の原因は迷宮入りしている。国土部によると、今年だけでBMWの火災件数は27件で、このうち520d車両の火災は16件にのぼる。

BMWコリアと国土部は、排気ガス再循環装置(EGR)のモジュール異常を原因として指摘し、先月26日にリコールを発表した。EGRは、ディーゼル車から発生する窒素酸化物(NOx)の排出量を減らすために、排気ガスを冷やして内部で再循環させる装置だ。400度を超える排気ガスは、EGRクーラー(冷却器)で冷やした後、エンジンで再燃焼される。問題は、排気ガスを冷やすクーラーに水漏れなどの欠陥が生じれば、高温ガスがそのまま吸気ラインに流入して穴を作る。この穴から高温ガスが漏れたため、車が過熱し、火災が起きかねないというのがBMW側の主張だ。

しかし、専門家らは納得できないという反応だ。問題となったEGR部品は韓国企業が作ったが、ドイツに輸出して、グローバルBMWのディーゼル車に搭載される。欧州で売れる520dにも入るということだ。また、このメーカーのEGRは、現代(ヒョンデ)・起亜(キア)自動車にも納入されていることが分かった。しかし、海外でEGR関連のリコールはなかった。昨年末から米国、英国で相次いで火災の危険で170万台のリコールが行われたが、冷暖房システムの配線過熱などが原因だった。

韓国でとりわけBMWのEGRモジュールが問題になったことについて、一部の専門家は、ソフトウェア(SW)設計を問題に挙げている。大林(テリム)大学自動車学科の金必洙(キム・ピルス)自動車学科教授は、「ハードウェア(部品)は、世界的に同じでも、各国の環境基準に基づいてSWは違ってくる。韓国だけで空気清浄度を高めるためにEGRが過熱するようにSWシステムを運用したのではないか確かめなければならない」と語った。大徳(テドク)大学自動車学科のイ・ホグン教授も、「同じ車種、同じ部品なのに、韓国だけで問題になったとすれば、SWシステムの設計を疑うのが合理的だ」と主張した。

SW問題の可能性について国土部の関係者は、「高い欧州環境基準に合わせた後、韓国に来るのでSWセッティングは(欧州と)変わらない。BMWのリコール計画を専門家が検討後、承認した」と主張した。国土部はただ、具体的な原因については、引き続き調査していると付け加えた。

すぐにBMWの所有者たちは、ややもすれば大事故になりかねないと不安を訴えている。2013年にBMW520dを購入したキム・ヒョンウ氏(42)は、「今朝、火災前の前触れと言われるエンジンの警告灯がついた。最も気になるのは地下駐車場で火が出て、自分の車だけでなく、他の車や人命被害を招くことだ」と話した。米紙ニューヨークタイムズによると、昨年、米BMWは、火災の懸念で大規模なリコールに踏み切り、「地下駐車場ではなく、屋外に駐車してほしい」と勧告した。韓国国内の専門家たちは、猛暑の中、高速と連続走行は避けた方がいいとアドバイスしている。

車両火災への警戒心が高まったことを受け、車両用消火器の販売が急増している。オンラインオープンマーケット・オークションによると、今年6月30日〜7月29日の1か月間、車両用消火器の販売台数は前年同期比99%が伸びた。


金玹秀 kimhs@donga.com