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「搭乗客の味覚を虜にせよ」、グローバル航空会社のサービス競争

「搭乗客の味覚を虜にせよ」、グローバル航空会社のサービス競争

Posted July. 07, 2018 08:08,   

Updated July. 07, 2018 08:08

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アシアナ航空が「飛行機旅の花」という言葉まで出てくる機内食を載せずに運航する「ノーミール(No Meal)」大乱を招いた。これは機内食供給の舞台裏で繰り広げられるもう一つの「配食戦争」の意味を、経営層が真剣に考えていなかったからだという指摘が出ている。機内食は、価格戦争のように目には見えないが、乗客誘致に少なからぬ影響を及ぼす。似たような価格であれば、機内食のために国籍機を選択する人々が少なくない。世界中の主要航空会社も、機内食競争で引きを取らないために最先端科学まで動員している。

●乗客の前に来る前の機内食に込められた「速度戦と科学」

空港に旅客機が到着後、乗客が降りると、すぐに空港に待機していた別の航空会社の従業員が入る。清掃が完了したらすぐに、次の目的地に合わせて必要な物の搭載が始まるが、最も入念に扱う「特急物」が機内食だ。

大韓(テハン)航空の機内食を載せる会社である韓国空港で働いたホン某氏(34)は、「遅くとも1時間以内に一般、乳幼児、ベジタリアン、コーシャ(ユダヤ教の律法に基づいた食品)、ハラール(イスラム法に基づく食品)など、必要な機内食を載せなければならない」とし、「最初客が搭乗する前までに作業を終えなければならないが、外国航空会社の場合、几帳面な乗務員に会えば、1時間を超えることもある」と話した。

機内食は、食材搬入、調理、ディッシュアップ(盛る)、プレーティング(食品トレーでの食べ物列)、搭載に至る複雑な過程を経ることになり、過程ごとに一般飲食店の料理とは異なる要求条件が多い。

まず、調理過程は科学に近い。重量を正確に合わせるために、ハム一かけらも同じ形に切らなければならない。調理は食事が行われる機内環境に合わせて行わなければならない。気圧の低い上空では、味が鈍感になるので、塩と砂糖を30%程度さらに入れたり、低い気圧でシャンパンの気泡が過度に発生することを防ぐために、保管温度を下げなければならない。乳幼児、コーシャ、ハラール、ベジタリアン、健康食など、乗客のニーズを搭乗前に受け取っておいて、それに合わせて提供したりする。大韓航空が準備する機内食の種類だけでも120種以上にのぼる。

保管も難しい。機内食は、調理後2~12時間後に乗客に渡される。調理後一日が過ぎた機内食は廃棄する。大韓航空の関係者は、「調理後、味を維持し、雑菌の繁殖を防ぐために、摂氏5度以下に冷やした後、機内キッチンであるギャレーに保管し、離陸後はオーブンで暖めてサービスする」と話した。機内食は、出発地で調理したり、食材を調達することが多い。当該国の事情に応じて、バターや果物の種類が異なることがあるが、プレーティング、重量などは同じだ。

アシアナ機内食の包装メーカーで、社長のユン某氏が適時に供給業務を終えなかったことへの圧迫感のために自ら命を絶った協力会社ファインCSのとある職員は、「機内食は、デザートや小さなバターだけが抜けてもならないのに、どれ一つ適時に十分供給できなかった」と話した。小さな食品プレート上に載せる機内食をすべて備えて包装し、旅客機に搭載するまでは緊迫した準備が行われていることを示している。

業界の関係者は、「機内食の数量は、乗客数より若干多めに準備し、牛肉の需要が多いので牛肉と鶏肉の割合は8対4程度だ」と語った。残った食品は廃棄するのが原則だが、福祉施設に寄付することもあることが分かっている。機内食を有料で提供する格安航空会社(LCC)は、そのほとんどは事前に注文を受けた機内食だけを飛行機に乗せる。その代わりにラーメンやサンドイッチ、カップご飯などの簡単な食べ物を販売している。

世界の機内食市場は、昨年基準で17兆5000億ウォン規模だ。マージンは10~20%で、給油や整備より相対的に高い。とある業界の関係者は、「エコノミークラスの機内食は安定しているが、ビジネスクラスとファーストクラスの乗客用機内食メニューの競争が激しくなっている」と語ったた。

●代案を探しにくい市場構造

国内機内食市場は、大韓航空とアシアナ航空が契約を交わした会社(6月末まではLSGスカイシェフ、7月以降はゲートグルメコリア・GGK)が事実上二分している。韓国に就航する外国航空会社の機内食も、そのほとんどをこれらの会社が供給する。大韓航空は30社あまり、LSGは15社あまりの外国航空会社の機内食を調達し、残りの外国航空会社やLCCは独自に中小機内食会社と契約を交わして供給を受ける。

機内食は在庫を積み上げておくことができず、供給過程に問題があれば、他のところから緊急調達することが容易ではない。他の機内食会社に発注しても、既存の取引先に送らなければならない物量のため、追加生産は容易ではない。大韓航空が今年3月、GGK工場の火災で機内食物量の確保に赤信号が灯ったアシアナ航空の協力要請に難色を示したことも、このような理由からだ。

一部では、アシアナ航空がGGK工場の火災後、LSGに再注文したら「機内食大乱」は防ぐことができたという見方もある。しかし、LSG職員900人のうち750人がGGKに転職したことを勘案すれば、LSGが、アシアナ航空の物量を供給するのは現実的に不可能だったというのが大方の見方だ。


李雪 snow@donga.com · 宋眞洽 jinhup@donga.com