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北朝鮮、ICAOに海外新規航路の開設を要求

北朝鮮、ICAOに海外新規航路の開設を要求

Posted May. 02, 2018 08:33,   

Updated May. 02, 2018 08:33

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北朝鮮が、国際民間航空機関(ICAO)に国際航路の新設を要求したことが確認された。韓国政府はICAOから、北朝鮮の要求を伝えられ、空域と航路などを担当する関係省庁間の協議と検討に着手した。

1日、ICAOと国土部などによると、北朝鮮は最近、ICAOに国際航路を開設したいという趣旨の要求を伝えた。ICAOの関係者は、東亜(トンア)日報との書面インタビューを通じて、「北朝鮮が複数の地域を行き来できる航路の開設を要求した」とし、「ICAOのアジア・太平洋地域、欧州及び北大西洋地域の加盟国とのコラボレーションが必要な状況だ」と明らかにした。ただICAOは、北朝鮮が具体的にどの新規航路を要求したのかは明らかにしなかった。しかし、特定国を通ったり、経由する路線である可能性が高い。この関係者は「最初に要請が寄せられた後、いかなる合意もなされてはいないが、今年中に追加検討が行われると予想される」と語った。現在、北朝鮮が定期航路として運航している国際路線は、平壌(ピョンヤン)-北京、平壌―瀋陽、平壌―ウラジオストクだけだ。かつてはクウェート、マレーシア、ドイツなど、最大で10ヵ国まで国際路線を運営したこともある。

特に、北朝鮮がICAOに要求した内容のうち、韓国の飛行情報区域(FIR、円滑な航空交通のために設定されたいわば空域)も影響を受けることが分かっている。ICAOは3月末、韓国政府に対し、北朝鮮が要求した国際航路の新設について意見検討をしてほしいと要請したからだ。国土部の関係者は、「北朝鮮がICAOに要求した国際航路がどこかは、今のところ明らかにできない」としながら、「韓国空域で影響を受ける部分があり、内部検討をしているところだ」と語った。さらに、北朝鮮は韓国政府に対して、北朝鮮のFIRをオープンするという意思も明らかにした。

国土部の関係者は、「北朝鮮が自国のFIRを通る航路を開くという意思を、ICAOを通じて明らかにした」と話した。北朝鮮が自国のFIRを開くと決めた理由は、経済的実益のためとみられる。北朝鮮の領空を通る航路を利用する場合、領空通過料などの実益を得ることができる。韓国も経済的利益を得ることができる。

航空業界によると、北朝鮮が平壌飛行情報区域(FIR)を開放すれば、国内航空会社は年間約160億ウォンの燃料費を節約できると期待している。これまで国内航空会社各社は、米州路線とロシアなどを利用する際は、北朝鮮の領空を迂回して飛行した。北朝鮮の領空を通過すれば、仁川(インチョン)-米州路線の場合、約200〜500キロの距離を短縮できる。

北朝鮮がICAOに航路開設と領空開放などの意思を明らかにしたのは、北朝鮮が国際社会で身動きの幅を広げたいという狙いと解釈される。国会国防委員会の関係者は、「今のところ、国連の対北制裁もあり、国際社会のメンバーになろうとする北朝鮮の真正性を国際社会が認めるまで、国際航路の開設は簡単ではないだろう」としながらも、「北朝鮮が先に航路開設や領空開放を要求したのは、前向きなシグナルだと思う」と語った。

特に、北朝鮮の領空開放を受けて、仁川―平壌、仁川―三池淵(サムジヨン)などを繋ぐ南北直行便の開設に弾みがつくものと見られる。2007年、「南北関係の発展と平和繁栄のための宣言(10.4宣言)」当時、南北は白頭山(ペクドゥサン)観光をすることを決め、白頭山―ソウルの直航路の開設のため、白頭山近くの三池淵空港まで直行路を開設しようと合意したこともある。しかし、現実的な運航のためには進むべき道も相当残っているという指摘が出ている。

航空業界の関係者は、「南北直航路に就航することは収益性も考えなければならないが、三池淵空港の管制レベルと空港インフラが後押しできるかどうか疑問だ」と話した。


ピョン・ジョングク記者 チョン・ホソン記者 bjk@donga.com · thousand@donga.com