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「難攻不落」の三星半導体…10ナノ級第2世代のDラムを世界初量産

「難攻不落」の三星半導体…10ナノ級第2世代のDラムを世界初量産

Posted December. 21, 2017 09:21,   

Updated December. 21, 2017 09:42

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三星(サムスン)電子が主力商品であるDラムにおいて再び世代交代を達成したことで、生産性を30%も高めた。ライバルが到底ついてこられないほどの技術格差を維持する三星電子の「超格差戦略」にさらに拍車がかかるものと見られる。

三星電子は「先月から世界で初めて10ナノ級2世代(1yナノ)のDラムである『10ナノ級8Gb(ギガビット)DDR4(Double Data Rate 4)』を量産している」と、20日明らかにした。1ナノ(ナノメートル)は、10億分の1メートルであり、10ナノ級というのは、回路の太さ(線幅)が10ナノ台という意味である。一般的に回路の幅が細いほど、半導体の主材料であるウェハーに刻めるチップ数が多くなり、生産性が高くなる。同じ工程で、より多くの製品を作ることができるので、価格競争力が高くなるからである。三星電子は、「第1世代の製品に比べて生産性が30%も高くなった」と説明した。

三星電子は昨年2月に10ナノ級第1世代の8GbDラムの量産に成功して、世界初の10ナノ級Dラム時代を切り開いたことがある。今回回路の幅を更に狭め、世界でチップのサイズが最も小さい第2世代製品の量産に成功したことで、21ヶ月ぶりに半導体微細工程の難題を再び自ら克服した。特に、次世代製品を作るために欠かせないと思われてきた「極紫外線(EUV)の露光装置」を導入する前に、製品の改善を実現したで、世界のプレミアムDラム需要の増加に適時に対応できる競争力を構築することになった。

今回のDラム製品は、高速・超節電・超小型回路の設計が適用された。既存の第1世代の製品に比べて速度は10%以上速くなり、消費電力量は15%以上も削減された。三星が2012年に量産した20ナノ級4GbDDR3に比べると、容量と速度、消費電力効率が2倍に向上した。また、セルに保存されたデータをより正確に確認して、セルデータの読み取り能力を2倍以上に向上させる「超高感度セルデータセンシングシステム設計」、電流が流れる微細領域をこれまで使っていた物質の代わりに絶縁効果の高い空気で満たす「第2世代エアギャップ工程」などが適用された。

今回の製品開発により、三星はライバル各社が到底追いつけないほどの技術格差を広げる「超格差戦略」を維持できるようになった。現在、世界でDラムを生産する企業のうち、シェアが3%以上の企業は、三星電子(45.8%)とSKハイニックス(28.7%)、米マイクロン(21.0%)だけだ。SKハイニックスは先月になってようやく10ナノ級の壁を突破し、マイクロンはまだ20ナノ級にとどまっていることが分かった。

また、「半導体のスーパーサイクル(超長期好況)」が近いうちに終わる恐れがあるという見込みが登場する中、新しい技術の開発は、市場状況が変わっても引き続き圧倒的な首位を守り切る武器になりかねない。人工知能(AI)とビッグデータの第4次産業革命関連技術が高度化するほど、演算とデータを処理するために最高仕様の製品を優先的に使わざるを得ないからだ。

三星は現在、10ナノ級第2世代Dラムはパソコン用製品だけを量産しているが、近いうちにサーバ、モバイル、グラフィック用など、様々な製品を出して、全面的な10ナノ級Dラムの量産体制に突入する方針だ。三星電子の秦敎英(チン・ギョヨン)メモリー事業部社長は、「発想を転換した革新的な技術開発で、半導体の微細化技術の限界を突破した」とし、「今後プレミアムDラム市場を10ナノ級に全面転換して、超格差競争力をさらに強化していきたい」と強調した。



金成圭 sunggyu@donga.com